2016年の春節(旧正月)の期間中、中国人旅行客に注目された日本製品は「日用品」だった。これは特定の家電製品の品質だけでなく、日用品の品質さえも日中で大きな差があることをはっきり示している。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 2016年の春節(旧正月)の期間中、中国人旅行客に注目された日本製品は「日用品」だった。これは特定の家電製品の品質だけでなく、日用品の品質さえも日中で大きな差があることをはっきり示している。

 中国メディアの紅商網によれば、16年の春節期間中、日本に旅行目的で訪れた中国人による爆買いの対象となったのは、文房具や爪切り、食品、薬品、健康食品、化粧品などの日用品だった。温水洗浄式便座や電気炊飯器と比べると、価格が安く需要も大きい製品だ。

 記事は、中国人旅行客による日用品の爆買いは「製造大国」である中国に「ある事実」を突きつけることになったと説明、それは中国製の日用品は全領域にわたって中国の消費者を満足させられていないということだ。

 一方で、中国製造業が品質の良い製品を造り出す道のりは遠いが、「避けて通れない道」であり、主に2つの面で努力を払う必要があると指摘。1つは使用体験の向上と流通コストの削減、もう1つは中国製品のイメージを向上させることだ。

 製品の使用体験やイメージを向上させる点については、日本のあるベンチャー企業の成功からも非常に重要であることがわかる。この企業は消費者は製品の機能を買うのではなく製品を使用したときの体験を買うという原則に基づいて商品を開発、その結果ヒット商品を生み出すことに成功している。また、1度でも素晴らしい使用体験を得た消費者はメーカーが送り出す次の製品を信頼するようになり、その経験の積み重ねによってブランドイメージを確立することができる。消費者の使用体験は確かに重視すべき要素だ。

 実際、日本製品を爆買いする中国人は日用品の入手に困っているわけではない。中国国内の製品でも何不自由なく日常生活を過ごすことはできる。だが、多くの中国人旅行客は生活の質の向上につながる製品を求めている。中国企業は日本企業より中国人の生活習慣をよく知っているはずであり、中国人が「これを使ったら幸せになる」と豊かに想像を膨らませることのできる商品開発を目指すべきだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)