GDPだけでは分からない「日本と中国の真の実力差」=中国報道
中国経済は急激な発展を遂げ、国内総生産(GDP)の規模では2010年に日本を抜いて世界第2位の経済大国となった。だが、IMF(国際通貨基金)のデータで1人あたりGDPを見てみると、14年における中国の1人あたりGDPは約7600ドル(約85万3230円)と日本の約5分の1にとどまった。
また、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)によれば、14年の日本の技術輸出額は369億3200万ドルに達し、米国に次いで世界2位だった。一方の中国は6億7600万ドルにとどまり、世界21位だった。日中の技術輸出額の差は54倍にも達したが、こうした数字はGDPの規模だけ見ていたのでは分からない日本と中国の真の実力差と言えるだろう。
中国メディアの金融界はこのほど、日本について研究してきたという中国社会科学院日本所研究員の見解として、日本の「技術」をめぐる発展の軌跡から中国は多くを学ぶことができると論じた。
記事は、日本の経済発展の背後には「製造業の重視」があり、「製造業の空洞化」を防ぐ取り組みがあったと指摘。一時は紡績や鉄鋼、造船、家電、自動車、半導体といった分野で米国ですら日本に敵わない時期があったと指摘し、これは日本が大発明はしなくとも、欧米で発明された製品や技術に対して中発明とも言える改善を繰り返してきた結果であることを指摘。
また、日本でもかつては製造業の空洞化が危惧されたことがあったとしながらも、日本企業は本当の意味で重要な技術や製品は国外に向上を移転させなかったと指摘。部品や素材の分野で世界の大手メーカーは今なお日本企業に依存する例は数多く存在すると指摘する一方で、人件費が上昇する中国からも外資製造業が相次いで撤退していることを挙げ、「日本と異なり、真の意味で空洞化が起きる可能性があり、中国製造業にとっては非常に危険」と論じた。
そのほか記事は、日本の製造業の分野で中国が学ぶべきこととして、「人材育成」や「中小企業の存在」を挙げている。非常に高い技術力を持つ人材を育てる仕組みや、一部の分野に特化し、その分野において非常に高い競争力を持つ「オンリーワン」の中小企業といった存在が日本の製造業を支えていることを紹介。中国国内では「日本の技術はもう遅れている」、「中国は技術力で日本を全面的に追い抜いた」などといった「驕り」とも取れる見方が浮上していると指摘しつつも、「その差は正確に把握すべきである」と主張。中国も日本のように産業の基礎となる中小企業を育成できなければ日本の技術力には到底追いつくことができないのが現実であることを伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
また、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)によれば、14年の日本の技術輸出額は369億3200万ドルに達し、米国に次いで世界2位だった。一方の中国は6億7600万ドルにとどまり、世界21位だった。日中の技術輸出額の差は54倍にも達したが、こうした数字はGDPの規模だけ見ていたのでは分からない日本と中国の真の実力差と言えるだろう。
記事は、日本の経済発展の背後には「製造業の重視」があり、「製造業の空洞化」を防ぐ取り組みがあったと指摘。一時は紡績や鉄鋼、造船、家電、自動車、半導体といった分野で米国ですら日本に敵わない時期があったと指摘し、これは日本が大発明はしなくとも、欧米で発明された製品や技術に対して中発明とも言える改善を繰り返してきた結果であることを指摘。
また、日本でもかつては製造業の空洞化が危惧されたことがあったとしながらも、日本企業は本当の意味で重要な技術や製品は国外に向上を移転させなかったと指摘。部品や素材の分野で世界の大手メーカーは今なお日本企業に依存する例は数多く存在すると指摘する一方で、人件費が上昇する中国からも外資製造業が相次いで撤退していることを挙げ、「日本と異なり、真の意味で空洞化が起きる可能性があり、中国製造業にとっては非常に危険」と論じた。
そのほか記事は、日本の製造業の分野で中国が学ぶべきこととして、「人材育成」や「中小企業の存在」を挙げている。非常に高い技術力を持つ人材を育てる仕組みや、一部の分野に特化し、その分野において非常に高い競争力を持つ「オンリーワン」の中小企業といった存在が日本の製造業を支えていることを紹介。中国国内では「日本の技術はもう遅れている」、「中国は技術力で日本を全面的に追い抜いた」などといった「驕り」とも取れる見方が浮上していると指摘しつつも、「その差は正確に把握すべきである」と主張。中国も日本のように産業の基礎となる中小企業を育成できなければ日本の技術力には到底追いつくことができないのが現実であることを伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)