テレビ朝日「日本サッカー新時代〜2018年への旅〜」(3日深夜放送)では、日本代表・本田圭佑とサッカー解説者・中山雅史氏の対談を放送。その前半では2014年のブラジルW杯を振り返った両者。その後は日本代表や後進について語った。

現在のハリルホジッチ体制を「悲観していない」という本田は、「高いものを要求するものが彼の中ではW杯(を見据えて)のものなんでしょうね。なんで、そのW杯で戦うものを求めても相手はアジアなんでうまくは行かない部分は出て当然」と分析すると、「(これから)はまっていくのは間違いない」とした。

それでも「簡単な戦いになるかといったらそうではない」という本田は、「引いた相手にどう戦うかっていうのは経験が大事。今までのW杯予選をうまく通ってこれたのって各時代にスペシャルなゲームメーカーがいたと思う。名波(浩)さんだったりヤット(遠藤保仁)さん。引かれた相手にはボランチがいかに凄いかが大事になってくるんで、その細かい駆け引きは優れたボランチにしかできない」と持論を展開した。

ここで中山氏から「ボランチどうですか?」と訊かれると、「そもそも、やりたくないです」と苦笑いを浮かべた本田は「やりたくない前提でいったら、アジアレベルだと簡単にやれると思います。ただ世界になると遅すぎます。コンバートする時期が。もっと24、25くらいから本気でボランチの厳しい試合をこなしていかないと」と冷静に分析。続いて「日本代表の若い選手に対して思うことはありますか?」と訊かれると、今度は「言わせたそうですね」とニヤリとした。

「今の本田圭佑にできないプレーができる若い選手が多い。それは評価しているし、ある意味うらやましい」と切り出した本田は、名前が挙がった宇佐美貴史について、「彼の技術は彼にしか持ち合わせることができないもの。それは代表でも随一」と話しつつ、「ただその活かし方っていうのはまだあまりうまくない。それは貴史のメンタルからくるもの。1個殻を破らないとダメ。その殻はうますぎるが故に破れないのか。ひたむきさというよりもずる賢さ。汚さにも近いかもしれない」と評した。

さらに南野拓実や遠藤航については「ポテンシャルでしか判断できない」と前置きすると、「結局、成り上がれる選手がどうかって“これ決めたら世界が変わる”っていう試合で点を獲る。そこで一気にのし上がる。たった1試合で。それって彼らにとってリオ(五輪)かもしれないし、ロシアW杯かもしれない」と彼らの“出世試合”に期待を寄せた。

その他にも、次世代の台頭で中山氏から「悔しいじゃないですか?自分が抜かれるの」と訊かれた本田は、「そういう考え方はしていない」とキッパリ。「いずれは引退するわけじゃないですか。彼らはいずれは自分らの黄金時代を築く。そこでの勝ち負けは考えていない。どちらかと言えば、敵は外。ロシア人であり、イタリア人、ブラジル人」と返答。中山氏が「日本というチームが強いことが一番幸せ?」とまとめると、「その強さには、強くなるには本田圭佑が必要」と結論付けた。