観光ガイド「奈良の大仏のパーマの数は966個です」 東大「492個しかなかったよ」
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2015年12月3日放送で、「奈良の大仏の螺髪の数」について取り上げていました。
奈良の大仏さん(puffyjet撮影、Flickrより)
螺髪(らほつ)とは仏像の丸まった髪の毛のことを言います。奈良の大仏の螺髪は、東大寺のホームページによると1つの大きさが直径およそ22cm、高さおよそ21cm、重さは1200gあるそうです。そして螺髪の数ですが、平安時代から寺に伝わる文書などから966個であるとされてきたのですが、このたび最新の技術を使った調査によって966個でなかったことがわかったのです。1300年の定説が覆ったのです!
修学旅行生などから、「螺髪は正確にはいくつあるんですか?」という質問が多くあることから、寺では正確な数を計測しようとしました。ですが目視ではなかなか計測が難しかったため、大仏の大きさなどをレーザー光で計測したことのある東京大学の研究チームに計測を依頼したそうです。
"うすうす"思っていたけどやっぱり少なかった
東大チームが最新の技術で浮かび上がらせた3次元の大仏の髪の毛を数えたところ......現存するのは492個だったことがわかりました。
東大寺によると、現在の大仏の頭の部分は江戸時代に再建されたときに新しく造り直されたものだそうです。螺髪の数なども奈良時代とは異なっていると考えられてきましたが、大仏さまの後頭部を見渡せる場所がなく、今まで謎とされてきたそうです。
今回東大寺から螺髪の数の調査を依頼された、東京大学生産技術研究所の大石准教授は、数え終わって「全然違うやん!」と思ったとのこと。また同時に「966という数字は一体どこから来たの?」という疑問も湧いてきました。現在の大仏より大きかったとされる奈良時代につくられた大仏も966個はなかったと推測されるので、今後「966」という数字が持つ意味を東大寺と一緒に研究していきたいとしています。
現在、奈良の大仏の観光ガイドさんも「螺髪の数は966個」とアナウンスしているので、今後どのように説明が変わるのかも注目です。(ライター:ツカダ)