元・小学校のミニシアター「立誠シネマ」...歴史に浸れるその魅力をレポ
京都の中心地、四条河原町から徒歩数分の場所にある「元・立誠小学校」。3階にある立誠シネマは、京都にいくつかあるミニシアターのひとつで、廃校となった小学校の校舎を利用して2013年に開設されました。そして、ここは「日本映画原点の地」とも言われている場所です。
今回は、この元立誠小学校をご紹介します。
元・立誠小学校。撮影は筆者(以下同じ)
立誠小学校の歴史
別の場所にあった立誠小学校が現在の場所に移転し、校舎が建設されたのは1928年。1993年の閉校まで小学校として児童が通った場所です。高瀬川にかかる石橋が、小学校の玄関口となっています。
開設当時には珍しいほどの特別教室が設置され、唱歌教室や地歴教室、理化学、裁縫、児童研究などそれぞれの分野や用途に分けられていました。また、当時は修学旅行で東京へ訪れる数少ない京都の小学校だったようです。
最終年度となった1992年には入学する児童がおらず、入学式を行えないほどでした。立誠小学校のほか、合計5つが統合して、京都市立高倉東小学校となりました。
移転前も含め、立誠小学校として124年の歴史に幕を閉じたということになります。
日本初の映画試写実験に成功!
立誠小学校が移転してくる前の1897年1月に、この場所では日本ではじめての映画試写実験に成功しています。"映画の父"と言われるリュミエール兄弟がシネマトグラフ(最初の映画であるとされています)を発明し、パリから日本へ輸入されたことがきっかけとなりました。当時は現在の関西電力(旧:京都電燈)があり、そこで試写が行われました。
2010年には、日本映画原点の地を表す駒札が設置され、門川大作市長が除幕式を行いました。
1階部分には、立誠の長年の歴史が展示されています。
特設シアターを設置し、立誠シネマが始動したのは2013年。オープンから1年を試用期間としてましたが、正式に常設施設となり、2014年4月に現在のシアターが再始動しています。
シアターは小学校3階に設置されている35席の1つのみ。
受付や待合も、小学校の元教室なので、懐かしさがあります。
立誠シネマプロジェクト
シアターが設置されている3階までは階段で上ります。途中、映画のポスターなどが貼られていますが、まぎれもない小学校。
階段の段差が低かったり、手すりの高さも低めに設置されていたりと、昔懐かしさを感じることができるはずです。
階段を上り、振り返ると見えるのは運動場!
階段を上って、左手にシネマの受付があります。
上映情報や、値段は作品によって変化しますので、HPをご確認ください!
また、立誠小学校は、毎日営業しており、誰でも出入りができます。1階にはカフェも併設されているので、映画を見る予定のない方でも訪れることができますよ!
懐かしい小学校の雰囲気を思い出したい方にも、おすすめの場所です。2階では期間限定で展示会などのイベントが開催されていることもあります。
小学校前の高瀬川も、紅葉がとても綺麗でした。
ぜひ一度訪れてみてください。
今回の筆者:kamito努1995年生まれ。京都生まれ、京都育ち。現役大学生。フリーランスでライターとして活動しております。地元京都の魅力などを届けたいと思っております。よろしくお願いいたします。