雨降る師走の東京近郊で、大規模な鉄道遅延が発生した。JR各線がそれぞれ別の理由で運転見合わせとなり、ラッシュ時の通勤客に大きな影響を与えた。


朱に染まる「運行情報」(2015年12月3日)

まずは2015年12月3日未明、横浜線・鴨居〜中山駅間で、電柱が折れる事故が発生。これにより、始発から一部列車が上下線とも運休した。その後8時台までに、南武線のポイント故障(武蔵中原)、中央・総武線の人身事故(高円寺駅)、山手線のドア故障(新宿駅・原宿駅)、埼京線の車両点検(北赤羽〜赤羽)が立て続けに起き、それぞれ一部区間で運転を見合わせた。

「次の電車はいつ来るか」「ホームに人ヤバイ」

事故が起きた各路線だけでなく、それらと直通運転する路線や、振替乗車に使われる路線にも大きな影響が出た。各路線の利用者が、階段からホームにかけての混雑ぶりをツイッターで伝えている。

いつも荻窪駅から通勤する20代男性は、遅延の続く中央線をあきらめ、東京メトロ丸の内線に振替乗車した。

「いつもならラッシュがひと段落している9時30分時点でも、たくさんホームから降りてくる人がいました。小雨で湿度も高かったので、いつもとは少し違う『熱気』のようなものを感じました」

9時30分時点の中央線荻窪駅(2015年12月3日)

横浜線沿線では、休校する高校も

なかでも影響が大きいのは、町田〜小机間が運転を見合わせた、横浜線での電化柱損傷だ。通学客も多い路線だけに、横浜市内では休校になる高校も出ている。県立弥栄高校のように公式サイトで、

「本日の実施予定のテストは、月曜日に延期します。明日のテストは、予定どおり金曜日に実施する科目のテストを行います。本日は、休校とします」

と発表しているところもある。


さまざまな路線に影響(2015年12月3日)