米ソフトウエア最大手のマイクロソフトが、新プロジェクトとして、「MyLifeBits」(マイライフビッツ)という、人生のあらゆる出来事をデジタル形式で記録し、いつでも再生して見られるように管理するプロジェクトを開始してから、5年が経過した。同計画の実験台となっているマイクロソフトのエンジニア、ゴードン・ベル氏は、この5年間に読んだ記事や書籍、カード、CD、手紙、メモ、文書、写真、プレゼンテーション資料、家庭用ビデオカメラで撮影した講義などの映像、音声データなど、ありとあらゆるものをデジタル形式で保存しているが、最近では、電話の通話内容、IM(インスタント・メッセンジャー)の会話記録、テレビやラジオの録画・録音データまでもデジタル化しており、まさに、「紙いらず」の生活を送っているという。

  イタリアの新聞「イル・ソーレ・24オーレ」によると、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディア・ラボのインド人研究者、スニル・ベムリ氏もIT技術を利用して、生活の記録をデジタル形式で残すプロジェクトを進めているという。ベムリ氏のプロジェクトは、PDAに似た小型の電子機器で記録した会話を、別のコンピューターに転送して、テキスト形式で保存するというもので、もともと記憶障害の補助として研究しているものだ。

  マイクロソフトによると、同社のマイライフビッツ計画は、米国の科学者、バネバー・ブッシュ博士が1945年に提唱した「memex」(メメックス)という概念に着想を得て、開始されたという。ブッシュ博士は当時、メメックスについて次のように語っていた。「メメックスは、未来の人々が自分だけのファイルや図書館として使う機械だ。処理速度と柔軟性に優れており、書籍や音楽レコード、会話の内容を記録することで、記憶の補助装置として機能する」という。自分の人生が一つのコンピューターに入ってしまうって、どんなものだろう。

■ブログ:クーレスト・ガジェット(Coolest Gadgets)(2006年12月12日付)より

■筆者 アル・カール(Al Carl)氏:
フリーランスのITエンジニアとして、プログラミングやウェブ関連の仕事を行う。最新のITグッズについて詳しいほか、SEO(検索エンジン最適化)やウェブ・マーケティングにも精通している。

  クーレスト・ガジェットは、新しくて、面白いITグッズを始め、ゴルフやキッチン用具、ガーデニング、ロボット、太陽光システム、スパイ道具にいたるまで、あらゆる分野のグッズを紹介するブログ。また、forums.coolest-gadgets.comという読者サイトもあり、クーレスト・ガジェットの読者が情報交換をできるようになっている。

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