横浜にある横浜美術館で開催中の「アイドル!」展で展示されている「明星」の表紙。(撮影:久保田真理)

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あなたにとっての「アイドル」は誰ですか?――。その時代を象徴するアイドルたちをさまざまな表現方法でとらえた展覧会が、横浜市西区の横浜美術館で開催されている。2007年1月8日まで。

 この展覧会では、絵画、写真、映像のほか、ダンスやゲームといった幅広い方法で、アイドルそのものやアイドルが持つ「偶像性」を表現した芸術作品を紹介している。小学生に人気が高い中原杏さんのマンガ「きらりん☆レボリューション」の原画やグッズ、ゲームメーカー・セガ(東京都大田区、里見治会長)のゲーム機「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」とそのゲームで使用される着せ替えカードのコレクションなどを展示。また、写真家の蜷川実花さんが撮影したアイドルの写真がステンドグラスのように窓に展示され、会場はファンタジックな雰囲気にあふれる世界になっている。

 そのほか、写真家の篠山紀信さんが数多くのアイドルたちを撮影した雑誌「明星」の歴代の表紙や、70年代のアイドル山口百恵さんが登場する映像作品も見どころ。この作品は79年に放送されたNHKの番組で、篠山さんが撮影した写真、山口さん本人のナレーションや歌で構成されている。今回の展覧会を企画した同美術館の天野太郎学芸員は、「昔の映像を大画面で見ることができるなかなかない機会。映像を通してノスタルジックな世界に浸り、団塊の世代が自分の青春時代を呼び起こす機会にもなるのでは」と話す。

 天野さんによると、20世紀には“雲の上の存在”であったアイドルだが、21世紀では“隣のお姉さん”的な存在に変わったという。「小泉元首相など、メディアを通してアイドルが作られる時代になってきた。この展示を通じでアイドルの“イメージ”が作り上げられていくプロセスを知ってもらいたい」。

 開館時間は午前10時から午後6時(金曜日は午後8時)まで。毎週木曜日(11月23日はのぞく)、11月24日、12月29日から07年1月1日までは休館。入場料は、大人1000円、大学・高校生600円、中学生300円、小学生以下は無料。土曜日は高校生以下、11月3日の同美術館開館記念日は入場無料。問い合わせは、横浜美術館(電話:045-221-0300)まで。【了】

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