香川県直島のベネッセハウスミュージアム(提供:(株)ベネッセコーポレーション)

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社団法人企業メセナ協議会(福原義春会長)は12日、芸術文化振興に高く貢献した活動を顕彰する「メセナ アワード2006」のメセナ大賞にベネッセコーポレーション<9783>および直島福武美術館財団(香川県、福武總一郎理事長)の「香川県直島での継続的なアート活動」を選出した、と発表した。

 「メセナ アワード」は今年で16回目。芸術文化活動への資金や場の提供、地域に根ざした取り組みなど、芸術文化の振興につながるあらゆる活動を対象としている。今回は142件の応募があった。

 香川県の直島では1989年、ベネッセがキャンプ場を設けて以来、さまざまなアート活動を展開してきた。家屋や神社をアートとして再生するなど、島全体を舞台に活動を推進。2004年には直島福武美術財団が地中深くに「地中美術館」(安藤忠雄氏設計)を開館させ、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの作品を恒久展示している。

 12日行われた記者発表会であいさつした同財団常務理事で地中美術館館長の秋元雄史氏は、「直島にひたすらこだわり、きまじめに泥臭く活動してきたのがよかったのではないか」と喜びを語った。しかし、05年度は15万人が来島するなど、急激に観光地化していることへの対応が課題だという。

 このほか、文化庁長官賞には近畿労働金庫(大阪市、水上義博理事長)の「“エイブル・アート近畿 ひと・アート・まち”の開催」が選ばれた。

 企業メセナ協議会は、企業によるメセナ(芸術文化支援)活動の推進を目的に、1990年に発足した民間企業の連合体。現在、140社以上の企業と40団体が参加している。【了】