歩道を歩いていて、自転車に接触されたり衝突されそうになった経験は1度や2度はあるだろうが、それは、普段から自転車に乗っている人の約半分が“歩道を走行してはいけない”という法規を知らないことにも原因が…。一番身近で手軽な移動手段である自転車にも、交通法規が適用されることを知らずに乗っている人がいかに多いか、東京都が3日に公表した自転車の安全対策に関するアンケート調査で分かった。

  道路交通法では、自転車は自動車と同じ“車両”に位置づけられ、「車道と歩道の区別のある道路では、車道を通行しなければならない」(同17条)となっており、原則的に「標識等で通行できるとされている歩道」以外では、歩道上の走行は認められていない。

 そこで、週に1日以上自転車に乗る人と答えた人に、「道路のどこを走るか」と聞いたところ、約半数の49.7%の人が「歩道」と答えた。次いで「車道・歩道半々」と答えた人が44.%で、「車道」と答えた人はわずか6%しかいなかった。

 では、「原則として歩道を走れないということを知っているか」との質問に、「知っている」と答えた人は53.7%と半数以上いたが、同時に「知らなかった」と答えた人も46.3%と、両者に大きな違いはなかった。

 また、週に1日以上自転車に乗る人と答えた人で、歩行者に接触・衝突したかしそうになった経験が「ある」と答えた人は52%と半分以上で、そのうち「3回以上」と答えた人が18.4%、「2回以上」が10.5%いることも分かった。

 その反対に、歩道を歩いている時、自転車に接触や衝突されたかされそうになった経験では、「ある」と答えた人が66.9%で、そのうち「3回以上」が36.8%、「2回以上」が11.3%だった。

 同調査は、20歳以上の都政モニター500人を対象に、7月13日から19日までインターネット上で実施され、495人から有効回答を得た。都は、これらのアンケート調査結果を参考に「自転車総合対策」を策定する計画という。【了】

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