ジェレミー・ジョーダンとリチャード・ラグラヴェネーズ監督

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 アナ・ケンドリック主演の全編ミュージカル作品『ラスト5イヤーズ』について、キャストのジェレミー・ジョーダンとリチャード・ラグラヴェネーズ監督が語った。

 女優志望のキャシー(アナ・ケンドリック)と小説家を目指すジェイミー(ジェレミー)がニューヨークで出会い、恋に落ちてやがて結婚するものの、ジェイミーのキャリアの成功からすれ違い、最終的に離婚していく過程を逆行する時間軸で描いた本作。ソングライター、ジェイソン・ロバート・ブラウンのミュージカルを、映画『P.S. アイラヴユー』のラグラヴェネーズ監督が映画化した。

 今作では7分間の長回しの撮影に注目だ。ラグラヴェネーズ監督は「そのシーンは14回撮影した。6月〜7月に21日間撮影したが、実はすでに4月に僕らは5日間リハーサルを行っていた。その際にはピアノの演奏者、俳優の立ち位置を決めながら、楽曲全てを歌って、レッドカメラで撮影していた。その中で、楽曲『If I Didn't Believe in You』は、キャシーとジェイミーが言い争ってから歌が始まるため、彼ら俳優にはどの方向に移動してもカメラが付いてくるからと伝えていた。すると俳優たちもそれに刺激され、このシーンをワンカットで撮影したらどうか? と提案してきたところから始まった」と明かした。

 ラグラヴェネーズ監督はミュージカルオタクだったそうだ。「大学では演劇を学んだ。実をいうと2002年のジェイソンのミュージカルは観ていない。だが、あのミュージカルのアルバムを何度も聴くうちに映像が浮かび、ハリウッド抜きで製作するという幻想を抱き始めた。その後、『P.S. アイラヴユー』のオーディションで女優シェリー・リーン・スコットに出会い、彼女の夫カートがジェイソンを紹介してくれた。それから7年間、雇われ監督の仕事をしながら今作を温めてきた」と熱意が実を結んだ。

 アナとの共演についてジェレミーは「今作では会ったばかりでキスしたり、言い争うシーンを撮影したけど、アナと共演のせいかとても演じやすかった。彼女は現場では僕らのアイデアを柔軟に受け入れたりもするが、彼女自身は常に100%の準備ができていた。彼女には多少謎めいたところもあるけど、それがまた魅力的で、(映画経験の少ない)僕は彼女からいろいろ学んだ」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)