タケダにドゲザ!

2ステージ制だ、J3だ、クラブライセンス制度だと何かと騒がしいJリーグ界隈。そこにひとつの報せが飛び込んできました。アビスパ福岡、経営危機。16日の西日本新聞(←アビスパのスポンサーのひとつ)が報じたところによると、運営資金約5000万円が不足し、12月にも給与の遅配が起きうる逼迫した状況であるのだとか。

アビスパ経営陣のみなさまは、今大変お困りの状況と思います。何故この辺の住人はアビスパには来ないでホークスには行くのか、憤り、やるせなさ、無念、たくさんあると思います。よりにもよってホークスが近所にあるというのは厳しい話。何せ向こうには金があり、コチラには金がありません。

西武ファンたる僕なども、ホークスは「憎っくき敵チーム」という脳内設定ですが、鷹の祭典で配られるユニフォームとかを見ては「ちょっと欲しい」と思ってしまうクチ。お父さんグッズとか、いろんなイベントとか、球場に行ったらすごく楽しそうですし、すごく贅沢な気分になりそうです。しかも、スタジアムには屋根がついているので、安心して予定を組める気がします。正直ホークスに行きたい。

そのあたり、経営的にも難しい環境ではあると思います。しかし、隣の芝生を見ている間に、資金ショートの12月はやってきます。この厳しい情勢を打破し、未来への扉を開かなくてはなりません。実は僕には、ウルトラC…ウルトラD…いやウルトラTの腹案があります。トラスト・ミーな腹案です。

みなさんはペイドライバーという言葉をご存知でしょうか。これはモータースポーツの世界で使われる言葉です。モータースポーツはとかくお金がかかるスポーツで、各運営チームは予算組みに苦労しております。そのときに出てくるのがこの「ペイドライバー」という人々。

彼らは運転技術はソコソコなのですが、国のスターであったり、大企業のバックアップを受けていたり、クルマメーカーのお抱えだったりすることで金を持っているのです。彼らは「俺を雇えばスポンサーがつくぜ」「僕を雇えば1000万ドル出しましょう」「私を雇えばホンダ社製のエンジンが提供されます」などの条件を逆提示し、ドライバーの立場を「買う」のです。金を出す代わりに、「F1ドライバー」という無限の名誉、そしてチャンスを得るわけです。

アビスパにはまだ売れるものがあるんじゃないですか。Jリーグという日本サッカー界の誰もが憧れるステージで戦う権利を、アビスパさんは持っているじゃありませんか。どうでしょう、いたずらに時間を浪費し、ライセンス剥奪を迎えるくらいなら「ペイ監督」という新たな収入源を模索してみませんか。

そうです、今こそ武田修宏。理論不明、知識不明、指導力不明、人格不逞。しかし、タレント活動でガッポリ稼いでいる男。どうしても監督になりたくて、認定証を握り締めてクシャクシャにしているS級ライセンス所持者です。武田は、正直、5000万円は持ってると思います。しかし、監督のオファーはありません。今双方が必要なものを提供し合えば、奇跡のウィンウィンが起きるのではないですか。

給料の遅配、先行き見えない経営に嫌気がさし、チームを去っていく現スタッフたち。残された経営陣と選手には絶望の空気が広がります。サポーターたちの募金活動も目標額には遠く及ばず、県内スポンサーからは冷たい反応の数々。孫正義氏はツイッター経由の無心にプラチナバンド並みの不通沈黙を貫く。そんな絶望の朝に、颯爽と武田は登場します。ジュラルミンケースに5000万円を詰めて。

瞳を閉じれば浮かび上がる光景。青に染まったスタンドからは「帰れ!」「足元見やがって卑怯者!」「金で魂まで買えると思うなよ!」という熱烈なる大合唱。武田はジュラルミンケースをベンチに置いて、「この5000万円は婿入りの持参金代わりだよ」「モテ男・武田ついに結納、お相手は福岡県のサッカークラブ」「みんなの給料3ヶ月分くらいあるかな?」などと爽やかスマイル。西日本新聞も一面トップでコレを伝えます。ピッチサイドにスックと立った青年監督は「僕は、このクラブに骨を埋める覚悟だよ」「お嫁さんもコッチで探そうかな」「いつかヴェルディとチャンピオンシップで戦いたいね」という大きな夢と強い覚悟を明かします。意気に感じたサポーターからは「武駄!武堕!武惰!」と鳴り止まないコールが轟く…。武田なら、成績はともかく話題性は十分。「勝点よりも金」という現状にあって、もっとも適任といえる指導者ではないでしょうか。

ということで、これはもはや武田に手を出すしかないだろう…と勝利を確信しつつ、アビスパ福岡の再建策について検討していきましょう。


◆武田は5000万円持ってるはず!持ってるはず!持ってるはず!


まずは発端であるアビスパ福岡の足元…経営危機について確認していきましょう。どうやらアビスパ福岡は慢性的な経営難にある様子。今季は営業収入9億6千万円という予算計画を立てますが、実際の収入見込みは8億2千万円程度とのこと。1億4千万円の大赤字。すでに細かい借り入れをしながら自転車操業的に動いており、12月には資金ショートが見えているとの話です。

↓詳しくは西日本新聞の記事…というか「発表」をご確認ください!
サッカーJ2のアビスパ福岡が経営危機に直面していることが15日、明らかになった。スポンサー収入の大幅な減少などで、資金繰りが11月末には滞り、運営資金約5000万円が不足。12月にも社員や選手の給与遅配が起きる事態となっている。Jリーグは福岡に来季のJ1ライセンスを交付したばかりだが、経営改善が見られない場合、同リーグの理事は「クラブライセンスの剥奪も考えなければいけない」と語っており、最悪の場合、Jリーグ退会、下部リーグからの再出発を余儀なくされる。

http://www.nishinippon.co.jp/nsp/avispa/article/46467

アビスパ福岡は「小学生を無償で招待するので寄付をお願いします」という起死回生の策を打つも、手応えナシ!

最悪の場合、勝点マイナス10を受け入れて、Jリーグから借金をするつもりです!


↓しかし、翌日の西日本新聞の記事…というか「発表」ではJリーグが借金に難色との情報も!
福岡の経営危機を受け、Jリーグは16日、緊急記者会見を開いた。大河正明管理統括本部長兼クラブライセンスマネジャーは「給与遅配などが11月に起きると思っていない」と経営の推移を見守る方針を示したが、同リーグからの融資には難色を示した。

福岡の大塚社長は、Jリーグから融資を受ける可能性を示唆したが、大河本部長は福岡が地元銀行からの融資を受けられない状況にあることを明かし「Jからの融資は簡単に受けられるという話ではない。地元の金融機関などではなく、Jリーグからしか融資を受けられないのであれば厳しい」と指摘した。

http://www.nishinippon.co.jp/nsp/avispa/article/46687

似たような状況から大分トリニータは県民・行政・経済界が一体となって3億円超を集めていたな!

5000万円くらいは自力で集めてくれよというJリーグの主張はごもっともだな!


アビスパ福岡が目論む「勝点1を1000万円ずつに変換する」というリアル・マネー・トレード。仮に実現したとしても、そんな負のスパイラルに一度ハマッたら、抜け出すことは容易ではありません。みなさんは「Jリーグから借金して勝点マイナス10」と「武田監督から5000万円をもらって勝点のロスなし」のどちらが有利だと思いますか。どうせ名将なんかきませんよ。今いる名将も去りますよ。だって、お金がないんですから。ただ、武田はひょっとしたら名将かもしれませんよ。日本代表も後任探しをしている現状、武田JAPANが誕生してからでは遅いですよ。答えはひとつしかないんじゃないですか。

↓武田監督によるリスクが「5000万円+勝点10」より大きいとは、どう考えても思えない!


何か金ピカでカネ持ってそうじゃないか!

取材もお客もいっぱいくるぞ!

冷やかしで!


と、反対意見を一蹴したところで、より計画を具体的に詰めていきましょう。まず武田は5000万円を11月末までに入金します。クラブは現スタッフと話をつけ、武田を監督として正式に迎えます。契約期間はとりあえず3年、契約金・年俸はゼロ円です。その代わり、付帯条項を設けます。それは「武田に5000万円を返還するまで、この契約は1年ずつ自動的に延長される」「武田側から契約を破棄する場合は、5000万円は返還しなくてよい」という内容です。

武田から5000万円を得るだけでなく、監督の給料がゼロ円で済む。これでトータルの支出は当初の契約期間分だけで1億円近く浮くはずです。もちろん武田もタダで働くわけではありません。武田には自身の肖像権を活用した収益を還元します。実質的に「武田が武田グッズを作って売る」という体制をとり、自分の食い扶持を稼いでもらうわけです。

もちろん勝算はあります。「武田がJリーグの監督」などという面白事態となれば、TBS「情熱大陸」や、TBS「バース・デイ」、TBS「アッコにおまかせ」、TBS「サンデージャポン」、日テレ「行列ができる法律相談所」などから番組出演依頼が殺到するはず。武田が選手と夜な夜な繰り出す反省会の映像を通じて、選手たちの知名度もグンと上昇するはずです。

もしJ1にでも昇格しようものなら、最初の印象がアレなだけに武田は一躍ヒーローです。不良が普通に就職しただけで褒められるみたいな感じで、一気に名将の域に上り詰めるのは確実。「武田修宏の戦術ノート」「4-2-3-2 サッカーを戦術から理解する」「サッカーは偶然が10割」などの著書も続々と刊行されます。

武田を主人公にし、地域の町おこしを描いたドラマ「たけちゃん」の大ヒット。主人公が「1点取ったぞ…倍返しだ!!」と2点ずつくれてやるドラマ「武田修宏」も高視聴率を獲得。武田をコンビニの冷蔵庫に突っ込んだ写真が連日SNSをにぎわせ、「タケノミクズ」「お・モ・テ・な・し」「いつ辞めるの?イヤです!」などのフレーズは流行語大賞にもノミネート。「おいでよ武田の森」「モンスタータケダー」「武田修宏のエースストライカー」などのゲーム化も実現。武田ブーム到来という世情を反映し、スタジアムは連日満員となり、経営危機もポンポーンと解決…そういう寸法です。

↓武田は解説ではそれっぽいことを言うぞ!S級ライセンス所持者なので当たり前っちゃ当たり前だが!
東京スポーツの16日付記事では、元日本代表FWの武田修宏氏が、監督に対し「解任やむなし」とコメントを寄せた。武田氏は、セルビア戦に比べて、日本はパスが回って積極性があったとしながらも、FW柿谷曜一朗選手(23)をクロスに合わせようとさせるなど、「チーム戦術と起用する選手のミスマッチには大きな疑問が残った」とした。守備も弱体化しており、「世界レベルでは通用していない」という。

武田氏は、2戦で打開策が見えなかったのは、欧州組の起用に固執してチームを活性化できない監督の責任だというのだ。そのうえで、韓国やオーストラリアもW杯を前に監督を交代させており、日本サッカー協会も踏み込んだ議論があってもいいと指摘した。後任としては、元アルゼンチン代表監督のマルセロ・ビエルサ氏(58)かJ1浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督(56)がいいのではないかと薦めている。

http://topics.jp.msn.com/entertainment/tv/article.aspx?articleid=2126727

武田:「ザック解任はやむなしだね」
武田:「世界レベルでは通用してないよ」
武田:「後任にはマルセロ・ビエルサがいいだろう」

もしこのコメントでイラッと来る場合、それを解消するには武田を監督にするしかない!

「武田監督」を叩き潰すしかない!


どうでしょう。この妙案。誰も損せず、夢だけが広がる。ぜひ真剣にご検討いただきたいものです。もし実現しない場合は、自前で5000万円を集めることになるわけですが、はたしてできるのでしょうか。まぁ「武田はちょっと…」という気持ちで一体になれば、可能かもしれませんよね。

そもそも5000万円なんて、1000人が5万円ずつ出すだけの話です。アビスパの今季の入場者数が平均で5000人程度ですので、毎度来ている熱心なファンも1000人くらいはいるんじゃないでしょうか。ひとり、5万。アウェーへの遠征を我慢すれば「今年の残りアビスパ代」から十分に捻出できる額なのでは。

何もタダでもらおうってわけじゃありません。例えば経営危機を救ってくれた感謝をこめたゴールドカラーの特別なユニフォームを6万円で販売するという形でもアリでしょう。そのユニフォームを着ているだけで「俺、救った人。お前、救ってない人」ができるのですから、最高に鼻が高いというもの。現地に行けない遠くの人には、チケットよりグッズがありがたいでしょうしね。

当座の危機を凌いだのちは、いち早く来年のシーズンチケットを販売開始し、まとまったキャッシュを手元に持ちましょう。2013年の場合、ホーム自由席は個人パスタイプで1万8千円とのことですが、もう背に腹は代えられません。ホーム自由席は10万円とさせていただきます。もちろんシーズン中にバラで購入する場合も、前売りで5000円程度の設定とさせていただきます。場内でも自由席に入るところでチケットチェックを行ない、自由席券がない場合は進入をお断りします。何か「不自由席」って感じですが、主に客がここにいるのですから、ここから徴収するしかありません。

さらに、ホーム不自由席での掲示物については「広告看板」扱いとして、掲出料をいただきます。手持ちの旗やプレートなどは、1掲出物あたり仮に1万円としましょう。これは車検のような事前検査を実施することとして、登録証などを発行することで徴収します。また横断幕等の掲示物については、事前検査代に加え、ゆわえつける手すり等の使用権を販売します。もちろん手すりには区画番号を振り、年間予約者にはネームなども入れますので、「ここマイ手すりだから」と友だちに自慢するなんて使い道も。手すりによっかかりながらの自慢、粋です ね。

とにかく、まず誰に借りるにしても「自前」で賄う姿勢を見せなければ、貸す側の踏ん切りもつかないというもの。今こそひとりひとりが立ち上がるとき。友だちを誘ってなるべく人を集める。チームカラーのオリジナル私服などは一旦封印して公式のユニフォーム・シャツを買って着る。食事もドリンクも場内で買う。なるべく高い席に座る。寄付もいいですが、できれば「経営の改善」に見える形での金銭授受を。どこも貸してくれないという異常事態、寄付だけで解決できるものか疑問です。

こうした姿勢が見えたとき、「県民が5000万円出すならウチも同じ額は出しましょう」と腰を上げる人も出てくるというもの。誰が存続を一番望んでいるのか。そして、その熱量はどれくらいなのか。今から経営改革しても足りないお金が埋まるわけではないのです。来年の改革より、今必要な小銭。経営陣に何かを投げつけるなら、タマゴやペットボトルではなく小銭…いや、小銭は危ないのでお札。頑張ってお札をたくさん投げていただきたいものですね。


どうにもならない場合は、武田までご一報いただければと思います!