全国政治協商会議委員で中国国防部外事弁公室元主任の銭利華氏は、政治協商会議組別討論会に出席した際、「中国が日米と開戦する可能性がある」という一部の報道に反論した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 銭氏は、「中国の安全情勢は戦争前の緊張ムードを迎えているという意見が一部からあがっており、一部のテレビ番組が専門家・学者の主張を過度に誇張しているが、これらの観点は行き過ぎであり、国民をミスリードしている」と述べた。

 銭氏は、「1950年代の中華人民共和国の建国当初、米国や西側諸国から包囲・抑制・封鎖などの圧力を受けていたが、われわれはこれを乗り切った。1960年代にわれわれは米国とソ連の強い政治外交を受けたが、これも乗り切ることができた。今や中国は強国になった。周辺の安全情勢は複雑だが、1950年代、60年代に米国とソ連から受けていた強い圧力には遠く及ばない。情勢の判断を誤れば、中国の経済発展に必ず影響が生じる」と主張した。

 銭氏は外交問題について、「中国の現在の外交方針・政策は正確なものであるが、総合的な措置による対応が不足している。公共外交(パブリック・ディプロマシー)の力、専門家・学者の力を発揮し、海外発信を強化すべきだ」と提案した。(編集担当:米原裕子)