訪日した米国人男性が、旅行に関する情報を発信するブログ「placesandfoods」で、日本の銭湯に行った経験について感想をつづった。

 筆者は、温泉や銭湯は日本の伝統文化と考え、「訪日するならぜひ体験してみたい」と切望していた。温泉は通常山中にあるが、銭湯は街中にあるので行きやすいと思っていたところ、大阪での滞在中に駅近くにある公共の銭湯に行く機会があった。

 米国で生まれ育った筆者は、裸になることに違和感を感じるという。「公衆浴場で客が裸だということを考えると、行くことをためらう」と心境を明かした。しかし、勇気を出して銭湯に行ってみると、カウンターのスタッフはとても親切に対応してくれたという。

 ロッカーの使い方などを英語で説明してくれたおかげで、少し緊張がとけたようだ。そして、スタッフに促されて、ロッカーで裸になり、小さなタオルを持参して浴室へ。「銭湯に入るためのチケットはタオル込みでわずか540円だった」と少し気を良くした様子。

 湯の温度が異なる風呂がいくつもあり、外には露天風呂があった。「冬の寒い日に外で風呂」とは信じがたかったというが、とにかく飛び込んだ。屋外プールのような露天風呂にはテレビがあり、裸の男性たちがテレビを見ながら湯に漬かるという奇妙な光景だった。

 面白い経験だと思い、筆者も加わった。裸の男性らが風呂にたくさんいるという状況は、「これまでの人生で最も気まずい瞬間だった」と振り返った。しかし、徐々に異様な雰囲気にも慣れ、リラックスしはじめたという。

 米国人はシャワーを浴びるが、風呂に漬かることはめったにない。「15分以上は漬かっていられない。脱水症状になってしまう」と湯の熱さに驚いた様子。最後にシャワーを使おうと洗い場へ。「あまりにも小さな椅子で座るのがつらかったという。シャワーの位置も低く、普段は立ってシャワーをするのが習慣なので、難しかった」と慣れない習慣に戸惑ったようだ。しかも、数分ごとに水が止まるシステムに、「エコだが不便」とコメントした。

 筆者は、公衆浴場に入るという日本旅行の目的を果たせて大満足だという。「とても価値がある体験と感じた。裸は慣れないが、地元の人も皆裸。不思議なことに、すぐになじんだ」と、なかなかの好印象だったようだ。最後に「本当の日本を経験したいなら公衆浴場は欠かせない」と締めくくった。

 日本の銭湯を経験するということは、異なる文化を受け入れることなので、緊張感も大きかったという。しかし、価値ある体験と感じたようで、より深く日本文化を知る機会となったようだ。(編集担当:田島波留・山口幸治)