昨日の女子レスリングの決勝2つ。圧倒的に盛り上がったのは小原日登美の方だった。

伊調馨は吉田沙保理よりも鉄板と言われるくらいの強さだった。何しろ、2003年から負けていないのだ。事実、予選から1ポイントも落とさずに完勝した。三連覇、すごいことではある。

しかし、ドラマチックという点では小原。ながく第一人者でありながら、階級の問題やライバルに阻まれて、一旦は引退、結婚、31歳で五輪初挑戦。最初で最後の五輪だ。

おいしい話題がいっぱいではあるが、日本テレビの蛯原哲アナは入れ込み過ぎ。初戦、小原がマットに姿を現したところから、思い切り中継している。

「夢に見たマットが目の前です、今、階段を上がる、今、踏み入れました。小原日登美、初めてつかんだオリンピックのマット!」

ずっとこの調子だ。マットをつかんだりしてはいないと思うが。

決勝戦も、大苦戦、盛り上がったのはいいが、
「55kg級でオリンピックを狙おうとしました。しかし、そこには吉田沙保里がいました。48kg級には妹の真喜子がいました」

「一旦はレスリングの道をあきらめて引退、しかし夢を追いかけることをあきらめませんでした」

試合中、もうわかった!といいたいくらい、これを繰り返した。

もっと試合に集中させてくれよ、という感じだった。民放、日テレお得意のしゃべりまくりの中継に、奇跡の「金」の興趣が少しそがれた感じがした。