疑いようがなく、2011年はマリナーズにとって変化の年だった。そして変化は、いつも簡単には行かない。

マリナーズは、エリック・ウエッジ監督になった最初のシーズンに18人もの新人がプレーした。注目に値する若い力は、マイケル・ピネダとダスティン・アクリーが主導した。彼らは将来の柱になる。

しかし、他の多くの新人たちも頑張った。なぜならミルトン・ブラッドリー、ジャック・カスト、フランクリン・グッティエレス、ショーン・フィギンズ、そしてイチロー・スズキらのベテラン野手が不調に陥り、チームが期待しただけの攻撃力を発揮できず、そしてチームの投手陣は2ヶ月半の間それに傷つきながらも投げ続けた。

Season in Review: Mariners 

最終的に、投手力で攻撃力を克服することは出来ず、7月以降は定位置に着き最終的には67勝95敗、3年連続アメリカンリーグ最低得点で最下位になった。勝利数は2010年より6つ上回たが、ウエッジが次のシーズンに向けて進行中だとしたことについて、彼を満足させるのには充分では無かった。

マリナーズの2011年5大ニュースだ。

5.広い範囲での若手の台頭
今年のマリナーズほど、ニューカマーを起用したチームはかつて無い。彼らは18人の新人を使い、シーズン終了時には6人ローテーションを組み、うち4人が新人だった。

全ての新人が新顔では無かった。25才のマイク・カープは、過去2年もメジャーリーグでプレーしたが、彼の限られた打席数とサービスタイムで、ルール上はまだ新人だった。外野手のキャスパー・ウェルズも同様で、26才の彼はタイガースから移籍してきたが、彼も2010年に数試合出場していた。

しかし18人のうち13人は、2011年にメジャーリーグデビューを果たした。ダスティン・アクリー、ブレイク・べバン、スティーブ・デラバー、アレックス・リディ、ジョシュ・ルーキ、カルロス・ペゲーロ、マイケル・ピネダ、トレイボン・ロビンソン、チャンス・ラフィン、カイル・シーガー、アンソニー・バスケス、トム・ウィルヘルムセン、そしてマイク・ウィルソンだ。

他の”ルール上の”新人は、カープ、ウェルズ、ダン・コルテス、チャーリー・ファーブッシュそしてグレッグ・ホールマンだ。

カープとアクリーは、シーズン中に昇格し大きなインパクトを与えた。ピネダは力強くローテーションを守り、シーズン終盤にはそこにべバン、ファーブッシュ、バスケスが加わった。ウィルヘルムセンは、クローザー候補に浮上し、ウェルズ、シーガー、ペゲーロ、リディそしてロビンソンは、みんな若い野手のプロスペクトとして明るい将来を見せつけた。

4. 連敗記録の更新
2ヶ月半もの間、マリナーズはアメリカンリーグ西地区の上位にいた。彼らはセーフコ・フィールドでのフィリーズ戦に2勝1敗と勝ち越した6月19日に37勝35敗となり、首位だったテキサスに0.5ゲーム差まで迫った。しかしそれは、数日後そして7月にかけて崩れ始めた。それはチーム記録の17連敗に確実に向かっていった。

マリナーズは、オークランドに2-0で負けた7月5日に勝率が5割になり、続けてアナハイムでの4連戦でスイープを喰らった。3日間のオールスター休暇後も連敗は止まらず、シアトルはレンジャーズ、ブルージェイズ、そしてレッドソックスにスイープされた。最終的ヤンキー・スタジアムでフェリックス・ヘルナンデスが先発し9-2で勝利を挙げるまでに更に2戦を落としてそれは終わった。

それは2005年にロイヤルズが記録した19連敗につぐメジャー連敗記録で、その間のマリナーズは45得点で101失点だった。17連敗はMLBで14位タイの記録で、シーズンで50試合以上を消化した時点で勝率が5割を上回った後、15連敗以上したのはこれ以前は1944年のブルックリン・ドジャースだけだ。

3.大きな男が、オールスターで好投
マリナーズの新人の中で、ピネダより大きな人はいない。それは彼の6フィート7インチ、260ポンドの巨体のことだけではない。

この22才はリーグに旋風を巻き起こし、4月のアメリカンリーグ月間新人賞に選ばれた(5試合先発で4勝1敗、防御率2.01、 30奪三振)。彼は8勝6敗、防御率3.03でオールスターチームに選ばれ、フェニックスで行われたミッドサマークラシックで1回を2奪三振と完璧に抑えた。

しかしピネダは後半戦に少し調子を落とし、最後の2ヶ月は彼の若い腕を守るために注意深く使われた。彼は9勝10敗、防御率3.74、アメリカンリーグ新人トップの奪三振(173)、1試合当たり最小与四球(2.89)、WHIP(1.10)で終えた。彼はまた、投球回数(171 1/3)、クオリティースタート(19)、被打率(.211)は2位だ。 

全体的にシアトルの新人の活躍は印象的だったが、ピネダは今後の重要な選手としての地位を確立した。もしこの若いドミニカ人が健康でいられれば、彼はこれからの数年間ヘルナンデスとローテションの1番、2番を担うだろう。

2. ウエッジが雰囲気を変えた
近年何回も監督を変えた後、マリナーズは今シーズンウエッジを起用した。そしてこの若い監督は、このチームの再建のために、物事が変わるのを期待して、雰囲気を変える時間を無駄にしなかった。

43才のウエッジは、インディアンズで7年間の監督経験を持つだけでなく、何をすべきかを知っていると言う自身を持っている。彼は彼の若い部隊をうまく使い、賢いところを見せた。彼は17連敗の間でも彼らを使い続け、そして新しい選手の投入を続けた。

ウエッジが最初に約束したことの一つは、近年頻繁に変化していたコーチーングスタッフに安定をもたらすことだった。彼は来るシーズンに向けて全員を戻した。

キャッチャー出身の彼に求められているのは、チームに将来まで続くタフさとやる気を染みこませることだ。そして最初の年の成績に満足をしていない一方で、ウエッジは彼の計画の基礎が築かれたと思っている。そして現在の目標は、グランドで良いパフォーマンスをして、より勝てるようにそれを移行していくことだ。

1. ホールマンを襲った悲惨な死
2011年にグランドで起こった全ての事を、11月21日にオランダで起こった若い外野手グレッグ・ホールマンの悲惨な死が、影を投げかける。

24才のホールマンはロッテルダムのアパートで刺殺された。彼の弟22才のジェイソン・ホールマンが逮捕され拘束されている。報告では彼には声が聞こえており、それで精神的な錯乱を起こしたことが、その日の早朝の出来事につながった。

 ホールマンはシーズン途中にマリナーズに加わり、35試合に出場して打率.230、2本塁打、6打点、5盗塁を記録した。彼は新進気鋭のプロスペクトとみなされており、飛び抜けた身体能力はメジャーリーグで育った最初のオランダ人選手としての地位を確立した。

「私たちはみんな、失望している」 ジャック・ズレンシックGMは言った。「私たちはみんな、深く悲しんでいる。ここに座ってどんなに言葉を尽くして語っても、充分ではない。私たちの誰もが、言葉を失っている」

ホールマンは、11月29日にかつてのチームメイト、カープ、リディ、コルテス、マット・マンジーニそしてアダム・ムーアに見守られながらオランダのドリーハイスに埋葬された。彼は、44回のメジャーリーグの試合で誇りをもってつけていた56番のマリナーズのユニフォームを見に纏い埋葬された。

参考記事:Newcomers mark season of transition in 2011 By Greg Johns / MLB.com | 12/26/11 10:00 AM EST
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20111218&content_id=26192568&vkey=news_sea&c_id=sea&partnerId=rss_sea