8日にクラブW杯が開幕し、開幕戦の柏レイソル対オークランド・シティは2−0で柏が勝利した。柏はJ1優勝から中4日。優勝セレモニーやテレビ出演などが重なり、オークランド・シティ戦の前にまともにボールを触れたのはわずか1日だったとも聞く。それだけに、やはりコンディションの悪さは拭えなかったね。

お客さんの入りは散々だった。名古屋が優勝できず、TOYOTAを冠とする同大会としては、目論見が外れたということだろう。毎度感じることの繰り返しではあるが、クラブの世界一を決める、それもW杯と銘打った大会にしては、あまりにも寂しい盛り上がりと、試合のレベルだった。やはりこの大会が、興行、ビジネスをベースに考えだされたものであるという事実は拭えないね。

改めて言うまでもないけど、それはトーナメント表のやぐらを見れば一目瞭然だ。開幕戦はまるで無理やりの数合わせのようで、南米王者と欧州王者は1回勝てば決勝戦。たとえ負けてもいきなりベスト4だ。これが本当にW杯と言えるのかな。

この大会は、前身のトヨタカップを引き継ぐ形で、もともと日本が持ちかけたものだ。そこには理念よりもまず、ビジネスがあった。結局、そうした体質から生まれたものには、権威も伝統も根付かない。

一部報道では、今後日本はクラブW杯ではなく、他の大会、とりわけ女子W杯の誘致に乗り出すなんて出ていたけど、それもビジネスチャンスを狙っていること以外の何ものでもないよ。目先の利益ばかりを追求して、継続しないものを作って、誰が責任を取るのだろうか。大会が過剰に煽られるたびに疑問符がわいてしまうね。

大会自体の有り様に思うところは多々あるけれど、そうはいってももちろん柏にはがんばってもらいたい。田中順也が決めたシュートは素晴らしかったし、選手たちの高いモチベーションも伝わってくる。日本のサッカー界が良い年越し、そしてお正月を迎えられるかは、柏の躍進にかかっているね。