今週末からいよいよJリーグが再開する。地震発生から1ヶ月以上経った今も、被災地は復興の目処が立たず、放射能汚染の危機はすぐ目の前にあるが、リーグ戦の再開をもって、サッカー界も本当の意味で日常を取り戻す一歩を踏み出すことになる。

観戦に行ける人は、どんどんスタジアムに詰め掛け、チームを応援してほしい。チャリティマッチだけがサッカーじゃない。リーグ戦こそがサッカーの本分なのだから、できるだけスタジアムに行って、停滞しているサッカー界の血流をよくしてほしい。そうした経済活動は、日本の復興につながるものだよ。

サッカーだけでなく、日本のスポーツ界の将来は、今回の震災による影響で非常に厳しいものとなった。

地震と津波による直接的な被害に加え、放射能汚染や節電対応、そして自粛ムードにより、自動車産業や電機事業など、ありとあらゆる産業がダメージを受けている。これにより、今後、とりわけ来シーズンのスポンサー獲得は非常に困難なものとなるだろうね。そればかりか、親会社におんぶに抱っこの企業スポーツが柱の日本のスポーツ界は、もっと直接的な影響を被るかもしれない。

ただでさえ、Jリーグの人気は横ばいか、あるいは低迷していた。浦和レッズは3期連続の減収となり、20日には2010年度の決算で2億6000万円の赤字を計上したことを発表した。これは浦和だけの問題ではないよ。内外に対して日本のサッカーが元気であることをアピールしなければ、Jリーグ自体が立ち行かなくなる。そのためにも、スタジアムにはファン・サポーターの熱気が必要だ。

ここで一つ議論になるのが、コパ・アメリカに参加する代表メンバーの問題だ。日本サッカー協会は正式に、コパ・アメリカに参加すると発表した。しかし、海外組招集の内定を取り付ける作業は思うように進んでおらず、Jリーグ側もやはり中心選手は貸したくないという姿勢を崩していない。

夏の間、代表選手の抜けたクラブは、戦力も集客力も落ちてしまう。というのが理由の一つだけど、逆に、コパ・アメリカの代表メンバーに誰が入るのか、さしずめ選考レースのようなトピックを夏までの間に提供するほうが、盛り上がりとしては有益なんじゃないかと思うのだけど、どうかな。

いずれにしても、日常のリーグ戦を取り戻し、日本代表も含めてサッカー界が元気であることを発信していかなければならない。簡単なミッションではないが、ファンも当事者もみんなが一丸となれば無理な話ではないだろう。週末はスタジアムへ行って、サッカーを叫ぼう。(了)