■ サッカー解説者の格付け

先日、サポティスタ氏のところで紹介されていた「サッカー解説者の格付け、順位付け」という記事に便乗して、毎年恒例の「日本のサッカー解説者を勝手に評価する (2011年版)」としてエントリーにしてみる。

ちなみに、「日本のサッカー解説者を勝手に評価する 2009年版」ではスカパーの解説陣(25名)を評価しており、「日本のサッカー解説者を勝手に評価する 2010年版」では地上波の解説陣を勝手に評価したが、改めて自分で読んでみても、意外と今の評価と違っていたりするので、面白い。

■ 1位は山本昌邦氏

紹介されているフライデーの記事で1位に輝いているのは、NHKの山本昌邦氏。これは、広告代理店の調査ということを考えると「さもありなん」という感じである。

個人的にも、山本昌邦氏の解説を高く評価しており、「山本氏は解説者が天職である。」と思っていた時期もあった。ただ、いつの頃からか「さっぱり」になってしまった。何が「きっかけ」となったのかは分からないが、急にボキャブラリーが乏しくなって、ピント外れのことしか語らなくなったのは非常に残念である。

最近の山本昌邦氏を見ていると、解説者といえども、やはり、ある程度の実績は必要なのだということを痛感させられる。同じことを言っていても、指導者として実績のある人と、そうでない人とでは、説得力も違ってくる。今後、山本昌邦氏がしたたかに復活してきて、勝者のメンタリティーを備えた世界基準の解説者となることを願ってやまない。

■ 一押しの解説者は?

フライデーの記事で名前が挙がっていない人の中で面白いと思うのは、岡田武史氏。現在はWOWOWを中心に活動しており、スペインリーグの解説が主になっているので、表に出てくることは少ないが、発言自体も面白くて、着眼点も面白い。南アフリカW杯後の岡田氏から感じる「余裕」のようなものは恐いくらいである。

岡田氏の性格を考えると、当分は、日本代表の試合で解説を務めることはないと思うが、今、岡田氏がザッケローニジャパンに対して、本音ではどう考えているのかなど、聞いてみたいことはたくさんある。

スカパー解説陣の中で、安定していると思うのは、愛媛FCのホームゲームを担当することの多い大西貴氏。地方のクラブにとって、その街のクラブのいいところ・悪いところをしっかりと語れる人がいるというのは大事であり、その点で愛媛FCは恵まれているといえる。

個人的に、一押しなのは、倉田安治氏。2010年はFC岐阜の監督を務めたが、今シーズンから解説者に復帰した模様で、先日のプレシーズンマッチでも解説を任されていたが、「コメンテーター」の域が出ない解説者が多い中で、本当に「解説者」と呼ぶにふさわしい人である。あのくらいのテンションで毎試合のように解説されるとしんどくなるが、「しっかりと試合を観よう。」というときには、最適な人かもしれない。

■ 優秀なのはNHK

局別で考えてみると、やはり優秀なのはNHKである。「受信料を払っている甲斐がある。」といったところであり、「ハズレ」の人が極めて少ないので、安心して観ることができる。

南アフリカ大会後に、岡田武史氏という大物を獲得したWOWOWもかなり優秀であり、ベルマーレ平塚で活躍した野口幸司氏の解説も好感が持てる。野口幸司氏はWOWOWでエースといえる存在になってきている。

最近、民放の中で、話題を独占しているのが「テレ朝」で、アジアカップでの躍動ぶりが記憶に新しいところである。解説陣には、松木氏、セルジオ氏、名波氏、堀池氏と「個性的なメンバー」を揃えているが、実況の分野でも、長らく、スーパーエースとして君臨してきた角澤照治アナに変わって、吉野真治アナ、進藤潤耶アナが台頭してきて、充実期を迎えている。

一方で、フジテレビにはレベルアップを期待したいところである。ブンデスリーガとエールディビジのフェイエノールト戦、ナビスコカップの放送権を持っているが、しんどい解説者が多くて人材が不足していることを感じさせる。


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