ディズニーランド当分再開できず 東京ドーム10倍の電力量がネック
東京ディズニーランドが、計画停電の余波で、当分通常営業を再開できない状況だ。東京ドームの10倍もある電力の供給が見込めないためで、部分開園なども検討しているものの、なかなかメドがつかないようだ。
東京湾岸埋め立て地の液状化で、ディズニーランドがある千葉県浦安市は、世帯の半数もが水やトイレを使えなくなり、ガスの供給停止地域も出ている。
液状化なく、「開園が可能な状態」だが…
とはいえ、ディズニーランドだけは、液状化の被害がほとんどないという。確かに、駐車場の一部やディズニーシー周りの沿岸道路では、陥没・隆起や砂の噴出が見られた。しかし、運営会社のオリエンタルランドによると、園内のアトラクションや広場などにこうした現象は見られず、水道やガスなども被害がなかった。
浦安市によると、もともと陸地部分が多かったほか、地盤強化などの安全対策が行われた結果ではないかという。
オリエンタルランドも2011年3月18日、すでに安全点検などが終わり、「開園が可能な状態」であることをサイト上で明らかにした。ところが、計画停電の影響で「電力供給が安定しない」状況になっており、引き続き休園することになった。当初は、21日をめどに見通しを決めるとしたが、未だにそうできない事態になっている。
同社の広報部では、取材に対し、「営業再開については今のところ未定です」と答えた。
園内では、ジェットコースターなどの乗り物があったり、電飾を凝らした夜のパレードが行われたりして、多量の電力を消費する。同社によると、ディズニーシーを含めて、1日当たりに使う消費電力は、約57万キロワット時だ。
これは東京ドームの約10倍に当たり、一般家庭なら5万世帯前後にも相当する。プロ野球セ・リーグの開幕強行が批判を浴びているだけに、営業再開には難しい判断が迫られそうだ。
節電の影響を長期的に受ける可能性
今後は、震災復興がある程度進んで、エンターテインメントへの期待が出てくることも予想される。しかし、そうは言っても、必ずしも状況は楽観視できないようだ。
電力逼迫で、2011年夏以降も計画停電が続く見通しが報じられており、ディズニーランドにも影響が出るからだ。
浦安市は、計画停電の第5グループに入っており、2011年3月14日のスタート時からすでに3回も停電が行われている。東京23区とは違って、停電になる可能性が高く、また、電力需給次第で、かなりの節電が求められる事態になりそうなのだ。
ディズニーランドのある舞浜駅を通るJR京葉線も、停電のたびに運行がストップするので、その影響も出そうだ。現在は、停電時以外は、ほぼ通常運行に戻ってはいるものの、今後の節電で、運転本数が減らされることもありうる。その結果、駅などの混雑が激しくなることが予想され、営業に支障がある可能性が出ている。
浦安市の災害対策本部では、「ディズニーランドは、大きな電力を使うので、節電などの影響を長期的に受けるかもしれません。現在は、シンボルのシンデレラ城さえ、節電で明かりが点いていないといいます。私どもはライフラインの復旧見通しが立たずに手がいっぱいですが、今後は、どうやって連休や夏休みを乗り切るかなど、ディズニーランド側と話し合いたい」と言う。
オリエンタルランドでは、「電力不足のほか、交通機関の様子、燃料不足なども見なければなりません。こうしたインフラの状況を見ながら、どのような形で開園できるのかを決めたいと思います」と話している。
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