おバカタレントは本当にバカなのか? テリー伊藤が「バカ」を斬る

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 政権交代があってもなくても、政治は混沌。経済も先行きが見えない。・・・・・・ふと身近なところを見渡しても、バカばっかし。などと偉そうに言っている私もまた大バカ野郎である。(p3)

 そんな厳しい言葉から始まる『バカの正体』(角川書店/刊)は、演出家やタレントとして活躍するテリー伊藤さんが、“バカばかり”の人間社会に一石を投じた一冊だ。ラーメン屋で並ぶバカ、「逆に」と言いたがるバカ、人脈作りに励むバカ、増殖するバカ草食系男子など、世の中のバカの症状46項目を列挙して、バカの処方箋として紹介する。

 例えば、「人脈作りに励むバカ」では、いつでもどこにでも顔を出したがる人を“批判”する。彼らは親しげに話しかけたり、愛想よく名刺を配ったりしながらパーティーを遊泳するが、それだけでは顔と行動はなんとなく覚えられても「あの人、誰だっけ?」程度にしか参加者の記憶に残らず、その後には結びつかないと指摘。そして、山本寛斎さんのパーティーでの行動を例をあげ、出会った人にインパクトを与え、「この人なら」と思わせなければならないと説明する。

 また、決してバカを否定するだけではない。「増殖するバカ草食系男子」では、「草食男子=弱い」と思われがちだが実はそうではなく、男が賢くなった証拠であるというし、「24時間仕事中毒バカ」では、自身も「そういう一人だ」と仕事中毒バカを認めるなど、肯定的に「バカ」を解釈したりもする。
 さらに、「おバカタレントは本当にバカか?」では、クイズ番組などに出演するおバカタレントと言われる芸能人は「実はちゃんと心得ていて、『勉強ができない人間の代表として、あそこにいる役も必要だ』ということをわかっている」と言い、彼らに対し尊敬の念を示している。

 テリーさんは「バカは治る」とあとがきで述べる。46の症状のうち自分自身に当てはまる部分があるか参考にしてみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部/田中規裕)

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