ラファエル・ベニテス監督率いるインテルは、セリエA第6節まで消化して勝ち点11を獲得した。これは、ジョゼ・モウリーニョ現レアル・マドリー監督が率いていた昨シーズンよりも、2ポイント少ない。しかし、チャンピオンズリーグ(CL)では、第2節まで消化してモウリーニョ監督より、2ポイント多く獲得している。

ベニテス監督は3日に行われたユヴェントス戦のスコアレスドローに満足していない。「2回の決定機を逃してしまった。勝ちにすべき試合だったよ」と話している。シーズン最初の公式戦10試合を終えて、ベニテス監督のインテルは順調なのだろうか。

まず、昨シーズンのリーグ戦第6節まで終えた時点での順位を比べると、今シーズンが1つ上だ。昨シーズンは勝ち点15のサンプドリアと、勝ち点14のユヴェントスのあとを、勝ち点13のインテルが追う立場にあった。今シーズンのインテルは現在2位。ただし勝ち点は11で、同勝ち点にミランとナポリもいる。白星の数は4対3で、昨シーズンが1つ多い。黒星の数は1つずつで、引き分けの数は今シーズンが1つ多くなっている。

今シーズンはローマ戦で敗れたインテル。昨シーズンは第6節に敵地でサンプドリアに敗れた。DFダヴィデ・サントンのミスからサンプドリアFWジャンパオロ・パッツィーニにゴールを許し、0−1で終わった一戦だ。しかし、このシーズンのインテルは、第2節でシーズンのハイライトとなるような試合を演じている。ミランとのダービーマッチでは、インテルが4−0の大勝を飾った。

ゴール数を比較すると、昨シーズンのインテルが6試合で12得点4失点。ベニテス監督のインテルは、守備で昨シーズンを上回り、3失点しか許していない。しかし、ゴールは“わずか”8得点となっている。

セリエAではモウリーニョ監督のペースに劣っているベニテス監督だが、CLでは違う。モウリーニョ監督が率いた昨シーズンのインテルは、CLグループリーグ第2節を終えた時点で勝ち点2。ホームでバルセロナと0−0、敵地でルビン・カザンと1−1という戦績だった。ベニテス監督は現在、勝ち点4を獲得。ブレーメン戦の圧勝は記憶に新しいところである。

その他の試合では、モウリーニョ監督が落としたイタリア・スーパーカップでベニテス監督が勝利している。しかしベニテス監督は、ヨーロッパ・スーパーカップでアトレティコ・マドリーに敗れてしまった。

昨シーズンのインテルは、FWディエゴ・ミリートが強烈なスタートを切ったが、現在はブレーキがかかっている。反対に、FWサミュエル・エトーが素晴らしいスタートを切った。

今シーズンの序盤戦で最もインテルを悩ませているのが、負傷者の多さだ。ユヴェントス戦では、FWジョナサン・ビアビアニーとDFイバン・コルドバが負傷交代を余儀なくされた。コルドバは左大腿二頭筋の肉離れで、15〜20日の離脱と予想されている。そのほかにも、DFハビエル・サネッティ、DFワルテル・サムエル、FWゴラン・パンデフ、MFチアゴ・モッタといった選手を欠いている現状だ。