ナイジェリアとのワールドカップ初戦を目前に控え、アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ監督が武器に磨きをかけている。穏やかな雰囲気の中、同監督は初戦で起用するメンバーについて、最後の疑問点を解消しつつあるようだ。

8日に行なわれた練習で、マラドーナ監督はリオネル・メッシ、ゴンサロ・イグアイン、カルロス・テベスというトリデンテ(3トップ)を試している。一方、足首の軽いねん挫から完全に回復した様子のディエゴ・ミリートは控えだ。

マラドーナ監督は6人のストライカーがシーズン中に挙げた149ゴールという攻撃力に期待している。少なくとも8日の練習ではそういった様子が窺えた。同監督が狙っているのは、状況に応じて4-4-2でも3-4-3でも適応できるメンバーをつくり上げることのようだ。ホナス・グティエレスのユーティリティー性(右SBか中盤右サイド)に期待するのに加え、絶好調の様子のテベスを諦めたくない様子である。

マラドーナ監督は南アフリカへ向けて出発する前に、「我々には世界最強のストライカーたちがいる。この自分たちの強みを生かさなければいけない」と話していた。ここ数日の練習でそれが確認されているようだ。

合宿初日から、戦術やフォーメーションよりもチームスピリットと個人の才能を重視することを明確にしていたマラドーナ監督。練習中の明るさや団結した様子からは、望んでいた結果が得られているようだ。MFハビエル・マスチェラーノは「素晴らしい雰囲気だよ。こんな経験はない。マラドーナと働くのはこの上なくシンプルさ。何か聞くことがある人には、誰にでも答える用意があるんだ。グループの一員のように振る舞っていて、これが僕らを大きく助けてくれている」と話している。