“AKB48”にハマる地中海の青年、“エヴァ”を観るため氷点下でも並ぶロシア人
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しかし、事業費117億円がかけられた「国立メディア芸術総合センター」(仮称)は、野党を中心に「無駄遣い」と批判され、鳩山政権下で建設が中止となった。
麻生前総理が打ち出していた、アニメ産業を通した観光立国事業が本当に“無駄遣い”であったかどうかは疑問符が打たれる。というのもおそらく日本で住んでいる私たち以上に、世界が日本のポップカルチャーに興味津々なのだ。
さらに、今や日本でも大ブレイクしつつあるAKB48にハマるマヨルカ島(スペイン)の青年もいれば、GazettE(ガゼット)やGacktなどのヴィジュアル系アーティストを信奉する海外の女の子たちも。そういえば、ヴィジュアル系バンドのDir en greyがヨーロッパの各ロックフェスで熱狂的な支持を受けているというのは、ニュースでも報道されていた。
こうした“日本のポップカルチャー”に影響を受け、憧れを持った上で日本に旅行しに来る若者は数多くいる。ところが、日本の観光行政はどうしても伝統文化の普及が文化外交やPR上重要であるという認識をしてしまう。
日本のポップカルチャーについて調査・研究をしている櫻井孝昌氏が上梓した『日本はアニメで再興する』(アスキー・メディアワークス/刊)は、前述のように外国人たちが日本のポップカルチャーに熱狂する様子を描きながら、伝統文化を前面に押し出す方向性が、実は逆に伝統文化の普及を阻害してしまっていると指摘する。
日本にポップカルチャーに興味を抱き、日本に憧れを抱く。その受け皿がない限り、日本に来る理由はなくなってしまう。日本が見せるべきは伝統文化ではなく、「伝統とモダンの融合」なのだ。
自分たちの国の“誇れる文化”とは何たるか。考えさせられるところだ。
(新刊JP編集部/金井元貴)
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