ラツィオのクラウディオ・ロティート会長は９日、スポーツ・ディレクターのイグリ・ターレ氏を通じ、ダヴィデ・バッラルディーニ監督に練習の指揮を執らせないことを決断したと伝えた。だが、15時から始まるはずだった練習は、大勢のサポーターが練習場へ押し入ろうとし、地元警察が食い止めるために催涙弾を使用する事態にまで発展したことで、選手たちがジムへと戻り、練習そのものは中止となった。ラツィオのウルトラスのうち、３名が軽傷を負っている。

一方、バッラルディーニ監督の後任として就任が濃厚なエディ・レヤ監督は、人海戦術を使ってでも自身を出て行かせたくないとするサポーターの愛情に感激し、９日も練習の指揮を執っている。レヤ監督は下から２番目に低迷していたチームを欧州カップ戦出場圏内付近まで引き上げ、ハイデュクは国内カップ戦でも準決勝に進出している。

だがその後、レヤ監督はラツィオへ行くことを選び、会長やサポーターと感謝のあいさつを交わした。決断した背景には、約束されていた補強が実現しなかったことや、チームが給料の支払遅延に不満を訴えていることなども理由に挙げられる。

ラツィオのクラウディオ・ロティート会長はレヤ監督が考え直すという最悪の事態を恐れ、同監督に就任を迫っている。いずれにしても、どんでん返しがない限り、レヤ監督は10日にラツィオとサインをかわし、練習の指揮を執ることになるだろう。