10月3日、阪神競馬場。JRA年間100勝達成のお立ち台に、あの男が立っていた。武豊、40歳――。言わずと知れた競馬界の至宝だが、天才の顔に笑みはなかった。

「例年よりも年間100勝達成するのに遅れてしまいました・・・」

 近年では7月中での達成が当たり前。2カ月間国内で騎乗しなかった07年でさえ、9月9日にクリアしている。JRA年間212勝という金字塔を打ち立てた05年は、5月29日の日本ダービー(勝ち馬ディープインパクト)で達成と、驚異的なペースで勝ち星を量産した。年間100勝は、単なる“通過点”に過ぎなかった。

 しかし、今年は10月3日でのクリア。騎乗数を見ても、それまでは450戦前後で達成していたにもかかわらず、今年は537鞍も要した。さらに、“指定席”であるリーディングの座は内田博騎手に奪われ、9日現在、9勝差の2位に甘んじている。はたして、武豊に何が起こったのか。リーディングで上位争いをしている関西の某調教師は語る。

「少し前までは、ユタカが乗ってくれるなら下手な馬は用意できないといった雰囲気が確かにあったからね。でも、最近は地方から腕のある騎手が移ってきたし、若手も伸びてきているから選択肢が増えたのは事実。昔とは状況が変わってきたよね」

 年間100勝達成の翌日。中山競馬場で行われたスプリンターズSに“天才”の姿はなかった。「ユタカがG?で乗る馬がいない時代が来るとはなぁ」。オールドファンがポツリとつぶやいたその言葉が、武豊時代の終焉が間近に迫っていることを物語っているのかもしれない。

 ちなみに、今年の100勝目は10番人気馬で単勝35倍。実はこれ、生涯最高単勝配当だった。強い馬ばかり乗ってきたと言えばそれまでだが、“ユタカ人気”というフレーズが浸透しているように、騎乗馬の実力以上に人気になってきたのも事実。仮にこの先「武豊の時代は終わった」と感じるファンが増えるようなことがあれば、当然のように“ユタカ人気”も消滅するだろう。だが、実はそこが絶好の狙い目。それまで以上に武豊絡みの配当はグッと上がる見立てだ。“ユタカの時代”が終わっても、“ユタカは黙って買い”の姿勢はしばらく続けておいたほうがいいかもしれない。

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