リヴァプールの親会社が莫大な負債を抱え、チームの先行きに暗雲がたちこめている。

アメリカ人のトム・ヒックスとジョージ・ジレットがオーナーとなるコップ・フットボール社の年度決算が5日に発表され、4260万ポンド(約66億3000万円)の損失となったことがわかった。クラブを買収するために調達した資金の利払いが大きな原因だった。

2008年7月までの1年間で、リヴァプールは1020万ポンド(約15億8700万円)の利益を出したが、コップ・フットボール社は3650万ポンド(約56億8000万円)の利子の支払いで赤字を抱えた。

リヴァプールは新記録となる1億5910万ポンド(約247億6000万円)を売り上げたにもかかわらず、クラブの負債総額(親会社の分を含まない)は4390万ポンド(約68億3000万円)から8600万ポンド(約133億8000万円)に増加。コップ・フットボール社の負債は2億9950万ポンド(約466億円)にのぼった。

7月24日の期限までに3億5000万ポンド(約544億7000万円)のローンの借り換えについてめどが立たない現状に、クラブの監査役は、「親会社の継続企業としての存在にはなはだしい疑問が残る」とした。

これを受けて、リヴァプールのサポーター組合である「スピリット・オブ・シャンクリー」は、このままではプレミアリーグの「健全な経営」に関する規則を守れない危険があるとして、アメリカ人オーナーたちを排除するために、行動に出ようと呼びかけた。

スピリット・オブ・シャンクリーでは、バルセロナのようなファンの出資によるクラブ経営を目指している。