「2ちゃんねらー」意外な実像 14%が年収1000万以上
グーグルが提供しているサービスの分析結果に、話題が集まっている。このサービスは、ウェブサイトの利用者の属性を分析・表示するものなのだが、「2ちゃんねる」を分析した結果が「3分の1以上が大学卒、14%が世帯年収1000万以上」というもの。「2ちゃんねるはフリーターや引きこもりの巣窟」と指摘する声もあるだけに、驚きをもって受け止める向きもあるようだ。
年齢層で最も多いのが、35〜44歳
このグーグルのサービスは「グーグル・アド・プランナー」と呼ばれ、広告代理店の担当者などが広告の出稿計画を検討するためのもの。08年6月に運用が始まった。本来の使い方は、「広告を見せたい利用者層の属性を入力すると、その層が利用しているウェブサイトの一覧が出てくる」というものなのだが、様々なウェブサイトの利用者層を表示することも可能だ。具体的には、利用者(ユニークユーザー)数、性別、年齢、学歴、世帯別年収などだ。これらのデータは、グーグルの検索結果や、外部の消費者パネル調査、市場調査などの結果に基づいたものだという。
ここで注目が集まっているのが、「2ch.net」、つまり「2ちゃんねる」の利用者層についての分析結果だ。男女比は68:32。かなりの「男社会」であることがわかる。また、学歴は、「高校中退以下」「高卒」「大卒」が、それぞれ31%、30%、34%と、ほぼ拮抗している。「大学院修了」も4%いる。年齢層で最も多いのが、35〜44歳が34%と最も多く、25〜34歳(17%)、45〜54歳(同)、0〜17歳(14%)と続いている。比較的高齢化が進んでいることが伺える。世帯年収を見ると、500万円未満が46%と大部分を占めるものの、1000万円以上も14%いる。「ニートやひきこもりが多い」という2ちゃんねらーに対するステレオタイプとのギャップが際だっている形だ。
もっとも、2ちゃんねらーの「高齢化」は、これまでにも指摘されてきた。例えばITジャーナリストの佐々木俊尚さんは、J-CASTニュースの連載企画で
「2ちゃんねるがスタートしたのが99年なので、当時の利用者が30ならば、もう40代近い。当然、彼らがみな引きこもりということはあり得なくて、2ちゃんねる上で『世論』として見られるのは、おそらく『まっとうな会社員で、技術系の人』というイメージです」
と述べ、「2ちゃんねらー=ひきこもり」というステレオタイプに反論。2ちゃんねるの中心層は「IT系企業で係長をやっている30代」なのではないかと推測している。
では、このサービス、どの程度正確なものなのだろうか。同サービスの分析結果によると、J-CASTニュース利用者の男女比は68:32で、年齢層は35〜44歳が最も多く35%。45〜54歳(20%)、25〜34歳(18%)と続く。学歴は、大卒が49%でほぼ半数を占め、大学院修了も7%いる。世帯別年収は、500万円以下が43%いる一方で、1000万円以上も14%いる。
これを、ネットレイティングスが07年夏にJ-CASTニュースの自宅からの利用者に対して行った調査の結果と付き合わせると、性別と年齢の分布は、大きくはぶれていないと言えそうだ。ただ、同社の調べによると、J-CASTニュース利用者の年収は、500万円未満が19.4%に対して1000万円以上が24.1%。ネットレイティングスの方が、若干高めに出ているようだ。
結果に若干のぶれがあるにしても、トラフィック解析ツール「アレクサ」と同様、今後、ネット関係者の注目を集めるサービスとなりそうだ。
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