雨の上がったハンガロリンクに君が代が鳴り響く――。F1第13戦ハンガリーGPは6日、決勝レースを行いジェンソン・バトン(ホンダ)がF1参戦113戦目にして初の優勝を飾った。

 前日の公式予選で出遅れたミハエル・シューマッハ(フェラーリ)とフェルナンド・アロンソ(ルノー)。しかし、スタートでミハエルが11番手から4番手、アロンソが15番手から6番手と急激に順位をあげる。しかし、ここからミシュラン勢がブリヂストン勢に対してレベルの差を見せつける。

 アロンソはすぐさまミハエルを抜くと、それまでの先頭を走行していたキミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)など上位にいたマシンがピットストップをしている間に一気にトップに躍り出る。

 レースは進みアロンソがミハエルを1周差をつけたその直後、ライコネンがビタントニオ・リウィッツィ(トロ・ロッソ)に接触しクラッシュ。レースは一時セーフティカーが導入される。そこでミハエルは1周差あったアロンソとの差を一気に縮める形になった。

 次第に雨は上がりコンディションもドライに近づく。するとそれまで独走状態だったアロンソに2番手走行のバトンが接近。アロンソにプレッシャーを与え続ける。そして、残り周回が18周になりアロンソがピットインし、ドライタイヤを履き替えコースに戻ったその時だった。右のリアタイヤの部品が飛びスピン。タイヤバリアに直撃しレースを終えた。

 そして、コースはドライになり、バトンはドライタイヤに変更しそのままトップを走行。悲願の初優勝を成し遂げた。そして、注目の2番手争いは、ウェットタイヤで走り続けたミハエルが、粘った末にペドロ・デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)に交わされ、その後ろにきていたニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)にも交わされた直後に、突然のスローダウン。マシンをガレージに入れてレースを終えた。

 ルノー2台が、フェラーリ1台がリタイヤする大波乱のレースとなり、天候によるタイヤ選択、ポイント争いによる駆け引きなど、まさにF1の面白さが存分に出た1戦となった。
 
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