惜しいシュートやドリブルで突破など、持ち味は発揮していた森岡だが……。チームの歓喜の瞬間は、彼がピッチを退いてから訪れた。 (C) Getty Images

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[ジュピラーリーグ第8節 9月23日(日)アンデルレヒト対スタンダール・リエージュ 2-1]

 アンデルレヒトの森岡亮太が、今シーズン初となるスタメン出場を果たし、65分までプレーした。チームは後半アディショナルタイムに勝ち越しゴールを決め、5試合ぶりの勝利を飾っている。

 今節の相手は、リーグ上位の強豪スタンダール・リエージュ。完全復帰を目指す森岡に、自らの存在をアピールするための、絶好の機会が与えられた。

 試合開始早々、森岡は中央に走り込む味方FWにふわりと浮かせた縦パスを送り、もう少しで先制点というシーンを演出。その後も、味方との連係で敵の守備を崩し、自らもシュートを放つなど意欲的に攻撃を組み立てて存在感を示すも、得点には結びつかない。

 前半終了間際の44分に失点してリードを許したアンデルレヒトは、後半は1点を奪うために攻勢をかけるが、なかなか得点を奪えず。森岡も大きな見せ場を作ることなく、65分にピッチを退いた。

 その後、アンデルレヒトは74分に1-1で追いつき、後半アディショナルタイムに勝ち越しゴールを決めて、劇的な勝利を収めている。

 ファンハエセブルック監督は試合後の会見で、「ストライカーに不満はない。今日も森岡は良かったと思う」と称賛。前日会見でも、チームの主力が揃わない現状に「森岡は必要な存在。彼はゲームメーカーになる能力がある」と語っていた。

 しかし、ベルギーの全国紙『HLN』はこの試合を「なんという勝利!!」と絶賛する一方で、試合内容については手厳しい評価。「試合後半、サポーターはブーイングを発していた。この布陣のアンデルレヒトには、ロイヤリティーがほとんど感じられなかった」と綴っている。

 また、森岡に対しては「パープルホワイトの背番号10は、勝利の”魔法使い”ではない。 私たちは、すでにそれを知っていた」と、こちらも辛口だった。

 そのほか、ベルギーのサッカーメディア「VOETBALKRANT」は「森岡は負傷で戦線離脱していた。それを踏まえ、我々は言わねばならない。彼はひどくはなかった」と、及第点を与えている。

 試合中は時間が経つにつれ、“消えた”時間も多かった森岡。再び10番として輝くことができるか!?