「くまのプーさん」はディズニーの人気作品群であり、多くのアニメ映画やディズニーランドのアトラクションにもなって人気を集めています。そんなくまのプーさん初の実写映画である「プーと大人になった僕」の公開が、中国で禁止されてしまったと報じられています。

'Christopher Robin' Refused China Release Amid Winnie the Pooh Crackdown | Hollywood Reporter

https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/christopher-robin-refused-china-release-winnie-pooh-crackdown-1131907

Christopher Robin: Winnie the Pooh film denied release in China - BBC News

https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-45083944

「プーと大人になった僕」は大人になったクリストファー・ロビンとプーさんの再会と、それにまつわる騒動を描いた映画です。日本では2018年9月14日(金)から公開される予定となっていますが、中国では当局によって上映が禁止されてしまったそうです。理由は明かされていませんが、2017年から中国当局が進めている「くまのプーさんをインターネットからブロックする」活動の一環ではないかと推測されています。

事の発端は、2014年ごろに中国のインターネット上で生まれた「習近平国家主席がくまのプーさんに似ている」というネタ。この経緯は、ネタを扱った番組の題材として扱ったコメディアンのジョン・オリバー氏が中国で「存在しない」扱いを受けていることを報じた以下の記事で詳しく解説しています。

「習近平=くまのプーさん」ネタをいじったコメディアンが「存在していない」ことにされてしまう - GIGAZINE



ジョン・オリバー氏の一件が記憶に新しい中での、今回の「プーと大人になった僕」上映禁止措置ということで、習近平国家主席を想起させるくまのプーさんが封じられてしまったのではないかと連想する見方が出るのは当然のこと。

ただし、上映禁止はネタとは無関係で、中国での外国映画の扱いにあるという意見も出ています。

中国では外国映画を上映するにあたって政府の許可が必要で、年間に上映可能な外国映画の本数に規制がかけられています。以前に比べれば、規制は緩くなっているものの、「配給会社さえつけばどんな外国映画でも上映できる」という状況ではありません。そんな中で「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」や「アントマン・アンド・ザ・ワスプ」といった大作と比べると「プーと大人になった僕」の注目度は低いため、許可が出ないという意見です。習主席とプーさんを題材にしたネタの広がり具合を見ていると、むしろ中国でこそ注目を集めそうな作品ですが……。