去就に注目が集まるダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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先発ローテーショントップ5を予想、ドジャース&ヤンキースは“5位タイ“

 2018年も世界一の大本命はアストロズとなるのだろうか。メジャーリーグのストーブリーグは停滞を見せており、ダルビッシュ有投手、ジェイク・アリエッタ投手らFA市場でトップクラスの評価を受ける投手の去就がまだ決まっていない。米スポーツサイト「スポーツ・オン・アース」は、キャンプまで1か月を迎えながらシーズン予想が難しい現状に“悲鳴”を挙げながらも、現時点での先発ローテーショントップ5を割り出している。メジャーで最も重視される指標「WAR(Wins Above Replacement)」を基に数値を算出し、上位5球団を選出。5位は0.1ポイント差で続く3チームを“同率”としているため、7球団を選び出している。

 WARとは、様々な指標を総合して選手がどれだけ勝利に貢献したかを評価するもので、「控えレベルの選手が出場する場合に比べて、どれだけチームの勝利を増やしたか」を表すもの。チームへの貢献度を表す指標だ。記事では、昨年、MLB球団が起用した先発投手はインディアンスの「7」が球界最少であることから、各球団の2018年予想WARなどの上位7投手を合計し、数値が高い球団を割り出している。

 1位となったのは、昨季世界一のアストロズ。上位7投手の合計「20.2」は、インディアンスの「19.8」に僅差で競り勝つ形となった。決め手となったのは、パイレーツからトレードで獲得したばかりの右腕コール。寸評では「数日前までヒューストンはローテーション指標で2番目だったが、コールと彼の予想WAR3.8の加入は頂点への天文学的な上昇をみせた。もしコールが3番手や4番手の先発投手と予想されるならば、明らかにそれは素晴らしい集団だ」と分析。バーランダー、カイケル、マカラーズJr、モートンらと形成するローテーションは確かに強力だ。

田中は昨季「ポストシーズンで魔法のような時期」

 さらに、2位にインディアンス、3位にナショナルズ(17.2)と、ここ数年球界トップクラスのローテーションと評価されるチームが続く。寸評ではアリエッタについて、代理人スコット・ボラス氏との関係を考えれば、ナショナルズが契約する可能性があると予想。もっとも「アリエッタ抜きでも強い」と結論づけている。

 ここに昨季、左腕ロビー・レイがブレークし、エース右腕グリンキーを支える存在となったダイヤモンドバックスが16.5で続き、5位には15.4のレッドソックス、15.3のヤンキース、15.2のドジャースを並べる形となっている。0.1ポイントの差がついているにもかかわらず、“同率”としているのは「これらの3球団はローテーション指標がかなり似ており、それぞれを切り分けるのは不合理にみえる」からだという。

 レッドソックスは、プライスの左肘の状態が大きく影響すると指摘。昨季ポストシーズンで救援として活躍した前田健太投手がローテーションに“復帰”するドジャースについては、「我々は7選手に限定したが、歴史が案内になるならば、彼らはシーズン終わりまでに17選手ほど使うだろう」と、今季も多くの投手が先発として起用されるとの見方を示している。

 一方、ヤンキースの寸評では昨年、浮き沈みの激しかった田中将大投手の“復活”を予想。先発ローテーションについて「不純物が混ざる一例」と予想の難しさを表現し、「レギュラーシーズンはほぼ悲惨だったタナカですら、ポストシーズンの魔法のような時期を経て、かつてのエースのように彼が投球できると楽観視させている」と言及している。さらに、アストロズに移籍したコールをヤンキースも狙っていたことに触れつつ、「ダルビッシュ、アレックス・コッブや他の選手(の獲得)も検討している。そのため、このローテーション指標は変わり得る」と、さらなる数値上昇にも期待している。

 当然、FA市場が歴史的な停滞を見せている現状で各チームの実力を見定めるのは難しい。記事は最後に「さて、お願いだ、誰かダルビッシュかアリエッタと契約して、我々にもっと数字を与えてくれ!」との“悲鳴”で締めくくられている。ダルビッシュがヤンキースやドジャース、もしくはここに入っていない球団の順位を押し上げることになるのだろうか。(Full-Count編集部)