映画『君の膵臓をたべたい』で主演を務めた浜辺美波/撮影=永田正雄

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大ヒットを記録した主演映画『君の膵臓をたべたい』でクラスの人気者・山内桜良を演じた若手女優・浜辺美波。明るい役柄から浜辺本人もそんな学校生活を送ったかのように思われがちだが、意外にも自身の性格はインドア派で役柄とは正反対だという。あまり外に出ないという彼女だが、幼少の頃をどのように過ごしてきたのか、彼女しか知らない思い出の場所や学校生活でのエピソードなどと共に、浜辺美波の素顔をひもとく。

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―――インドア派だということですが、子どもの頃から家にいることが多かったのですか?

「そうですね。両親が共働きだったこともあって一人の時間が長くて。ただ、おばあちゃん子だったので、祖母の近くにいることが多かったです。祖母とけんかをした時なんかは母の部屋につながっている物置の隅っこにじっとしていました。そういう意味では、そこは絶対自分しかいない場所という感じで自分の部屋より落ち着きますし、守られている感じがします。けっこう入り浸っていましたね(笑)」

―――部屋にいる時は何をしていましたか?

「小説や漫画を読むのが好きだったので読書を楽しんでいました。昔は図書館で借りた本を読んで一人の時間を過ごしていましたね。今は本屋さんによく行きます。やっぱり本屋さんは行くだけでテンションが上がりますし、読む本や漫画があるというその状態がすごく好きなんです。だから本屋に行くと元気になれますね」

―――本好きなのが伝わってきます。もしかして、地元に帰った時にも本屋に行っていますか?

「一人だとそうですね。金沢駅の本屋さんになんだかんだ行きます(笑)。よく行っていたので懐かしくて。駅に行ったら“ここの本屋さん”みたいに習慣になっています」

―――では、ご家族とどこかには外出することは?

「最近だと家族で行くのはお墓参りですね。でも子供の頃は母と1年に1回くらい『ももや』というお料理屋に連れて行ってもらっていました。お店には金太郎とか浦島太郎のキャラクターが描かれていて、帰りにそのキャラクターがプリントされたシールがもらえるんです。小さいお店なんですけど、そこでハヤシライスを食べるのが定番でしたね。今は閉店してしまったみたいなんですけど、またオープンしたら行きたいですね」

―――ハヤシライスがお好きなんですね。それに、食べることが好きなのが伝わってきます。

「はい、子どもの時から食べるのは好きですね。特に石川県は回転寿司とかもおいしくて。石川の回転寿司屋さんには卵とねぎとろを使った月見巻きみたいなものがあって、それがすごく好きで食べていました。食べる時はいつも『やったー』って感じです(笑)」

―――友達ともそんな風に食べたりしながら遊んでいたんですか?

「学校の目の前に公園があるんですけど、放課後にみんなで集まって駄菓子屋さんで買ったお菓子を持って行ってそこで食べたりしていましたね。たくさん遊具があったので滑り台を滑ったり、高いところに上ってトランプをするのも楽しかったです」

―――学校生活では部活動もされていたそうですけど、そこでの思い出はなんですか?

「(部活動は)吹奏楽でフルートをしていたんですけど、アンサンブルのフルートだけのコンテストで市の大会に行ったことですね。何年かぶりに私の学校ではフルートとして代表になりました。ただ、私の腕前より後輩が上手だったのでそのおかげかな。でも、フルートは好きでした。大会に出場できると思っていなくてスケジュールがギリギリだったんですけど、行けたという喜びが大きくてうれしかったですね。学校生活の中で部活動は私にとって大きかったなと思います。それに、部員は仲が良くてお昼にみんなでお弁当を食べたり。吹奏楽はあまり体力を使わないと思われているんですけど、実は部活の時間が朝から夜までで長いんです(笑)。

(部活帰りには) 『世界で2番めにおいしい焼きたてメロンパンアイス』というのがはやっていて、金沢にお店ができたので部活帰りに友人とメロンパンアイスを買いに行って食べたことがあります。部活後は疲れてヘトヘトなので寄り道したことはその1回しかないんですけど、その時だけはどうしても食べたくなって買いに行ったのを覚えています。大きな普通のメロンパンを半分に切って中にアイスが入っているんですけど、溶けてしまうのでお店の側で立ったままガツガツ急いで食べました。おいしかったですね。ただ、店の前で食べるから周りからは賑わってるぞって思われていたかもしれないです(笑)」

―――ちなみに最近食べたものでおいしかったものは何ですか?

「釜山映画祭に行った時のご飯がおいしくてやっぱり楽しかったですね。海鮮鍋や焼き肉を食べました。食べてみないと味がわからないものもあったんですけど、それが楽しみで。味を想像するんですけど、酸っぱかったり思っていた味と違って。でも全部おいしくて。食に対する楽しみがすごくありました」

―――釜山映画祭へは『君の膵臓をたべたい』で参加されていましたね。思い返してみて撮影現場などで思い入れのある場所はありますか?

「福岡の太宰天満宮です。そこに行くと“キミスイ”のことを思い出しますし、撮影やキャンペーンで行ったことで、毎年1回絵馬に願い事を書いていくのもいいなと思うようになりました。今はこうなりたいと思うことが多くなったので、それを1つずつ絵馬に書いてお祈りしたいなと思います。まだまだ絵馬に書きたいことがたくさんあるので、また行きたいですね」

―――“キミスイ”の出演を通して自身の中で変わったことは?

「映画をたくさん見に行くようになりました。ことしは初めて二桁くらい映画館で映画を見ているんですけど、作品を見ながらこの役をやりたいなとすごくモチベーションが上がったり、作品に対することやそうでないこともいろいろ考えて自分の成長について見直せたり。映画館はこれから頑張りたいなと決意を固めることができる場所になりましたね」

―――最後にいま一番落ち着く場所はどこですか?

「やっぱり、一番は自分の部屋だなって思います。最初にもお話ししましたが、一人の時間が長かったので自分の部屋にいることも多くて。今は勉強だったりお芝居をするのも全部自分の部屋ですし、いろいろ考えたり感じたりした経験も自分の中で一番多く過ごした場所なので。さすがに今は隅っこにいませんが(笑)。自分の部屋が一番だなって話していて思いました」

【ウォーカープラス編集部/永田正雄】(東京ウォーカー(全国版)・永田 正雄)