近年の掃除機の売れ筋は“小型&軽量”であること。価格.comの掃除機 人気売れ筋ランキングの上位5製品(キャニスター型のみ)を見ると、本体重量が2.3〜3.7kgの軽いモデルがランクインしています(2015年1月28日時点)。数年前までは5kg前後が主流だったことを考えると、すごく掃除機は軽くなりましたよね。その本体重量を“2kg”にまで落とした、世界最軽量の紙パック式掃除機をご存知でしょうか? それが、パナソニック「MC-JP500G」です。「MC-JP500G」は、同社が展開するシニア世代をターゲットとした「Jコンセプト」の1つ。50代、60代が“使いやすい”を目指したそうです。そこで、実際に60代の夫婦に「MC-JP500G」を使ってもらい、本当に“使いやすい”のかを聞いてみました。

構造チェック&使って感じた「MC-JP500G」の魅力

シニア層が掃除機に抱く不満の上位にくるのが“本体の重さ”(メーカー調べ)。そこで「MC-JP500G」は、本体に使用する素材を一新したり、モーターや設計を改良して本体重量2.0kgを実現したそうです。とは言え、そのような構造は見ることができませんし、それよりも使い勝手のほうが重要。シニア層の利便性を考えて施された機能や仕組みをチェックするとともに、実際に使用した60代の感想も織り交ぜながら「MC-JP500G」の魅力を紹介していきましょう。ちなみに、今回「MC-JP500G」を体験してくれたのは身長148cmの主婦と、掃除機がけはほとんどしたことがない身長180cmの男性です。

とにかく軽い!

「MC-JP500G」の本体には、家庭用掃除機では初となる「PPFRP(PP繊維強化樹脂)」という材料が採用されています。軽いだけでなく強度も高く、従来使用していた材料の約1/2の薄さで同じ強度を保持できるそう。それに加え、モーターを約56%軽量化し、部品の配置レイアウトを見直すことで体積は従来品の約63%に。これらが、本体重量2kgを実現した大きな要素です。

本体サイズは192(幅)×191(高さ)×383(奥行)mmで、本体重量が2kg。ホースやノズル、延長管を含めても3.6kgです

筆者宅にあるパナソニックの掃除機(「MC-SXJ4000」本体重量:4.8kg)と並べてみると、幅がとてもスリムになったことがわかりますね

取っ手は本体幅いっぱいのサイズで付いており、持ちやすそう

取っ手は本体幅いっぱいのサイズで付いており、持ちやすそう

「今まで使用してた掃除機(本体重量4.8kg)と比べると、MC-JP500Gが軽過ぎて驚きました」

「今まで使用してた掃除機(本体重量4.8kg)と比べると、MC-JP500Gが軽過ぎて驚きました」

「これなら1階から2階へ持ち運ぶのも苦ではありません」

「これなら1階から2階へ持ち運ぶのも苦ではありません」

「取っ手が大きいので、持っている時の安定感もいいですね」

「取っ手が大きいので、持っている時の安定感もいいですね」

タイヤが小さめ

本体がスリムになっただけでなく、タイヤも小さいことに気付きました。本体が軽くなったので、大きなタイヤは必要ないということでしょうか。

筆者所有の掃除機「MC-SXJ4000」と比べてみると、一回り以上小さいように見えます(右がMC-JP500G)

筆者所有の掃除機「MC-SXJ4000」と比べてみると、一回り以上小さいように見えます(右がMC-JP500G)。「MC-SXJ4000」のタイヤが特別大きいわけではありません

「MC-JP500G」は、この小さめのタイヤ2つと、前方に回転する車輪を備えた3輪走行となります

「MC-JP500G」は、この小さめのタイヤ2つと、前方に回転する車輪を備えた3輪走行となります

「本体が軽いので、掃除中も引っぱる負担は少なめ」

「本体が軽いので、掃除中も引っぱる負担は少なめ」

「段差の乗り越えも安定しており、フローリングを走行する音も静かです。タイヤの小ささは走行には何の問題もありませんね。少々雑に扱っても転倒しないところも気に入りました」

ムダのない操作性

高級タイプの掃除機には、アタッチメントがたくさん同梱されています。いろいろな所を掃除できるので便利なのですが、結局使わずに箱に入ったままになりがち。「MC-JP500G」の付属ノズルは1つのみです。そのノズルも掃除機に装着できるようになっているため、いちいち取りに行く手間がありません。

操作ボタンは運転開始/停止のほか、パワーの強弱、ブラシ回転&ライトのON/OFFが用意されていますが、基本は「自動」ボタンを押すだけで不満なく掃除できるはず

本体に搭載されているボタンは電源コードの収納のみ。紙パックの交換やエコナビ可動中であることを知らせるランプが、必要に応じて点灯します

同梱されている唯一のアタッチメントが、細い場所に対応する「すき間用ノズル」

同梱されている唯一のアタッチメントが、細い場所に対応する「すき間用ノズル」。使わない時は、ハンドル下に装着しておきましょう

延長管の先に付けることができます

掃除する際は、延長管の先に付けて使用します

また、延長管を外してハンドル部にセットすることも可能

「購入前は、いろいろ掃除したいと思う所があるのでアタッチメントの数が多いことに惹かれるのですが、結局使いこなせません。収納場所にわざわざ取りに行くのも面倒ですしね。MC-JP500Gにはすき間用ノズルしか付属されていませんが、一軒家を丸ごと掃除しても不足は感じず。狭い所や溝もキレイにできたので、実は付属品ってそんなにいらないのかも」

細やかな掃除ができる工夫

上で紹介したように付属ノズルは「すき間用ノズル」のみですが、通常使用するヘッドの部分から狭い場所の掃除に役立つ「子ノズル」を引き出すことができます。さらに、ハンドル部にはブラシも格納されているので細かい掃除も問題なし!

ヘッドのボタンを踏んだまま延長管を持ち上げると、「子ノズル」が登場

ヘッドのボタンを踏んだまま延長管を持ち上げると、「子ノズル」が登場

「手でヘッドを外すのが面倒なので、家具と家具のすき間は頻繁には掃除していませんでした。身体をかがめるのがしんどいので、MC-JP500Gのように脚で踏んでヘッドを取り外せるのは便利です」

延長管を抜いたままの状態で吸うこともできますが、格納されているブラシをクルリと回せばブラシ付きのノズルに変身

「ブラシでホコリを掻き出しつつ使う感じです。そんなに使う所、あるのかな? と最初は思ったのですが、家具の装飾にたまったホコリや棚の上などに使えて、けっこう活躍してくれました」

ゴミが発見しやすい

多くの掃除機に搭載されていますが、「MC-JP500G」にも照らしてホコリを見やすくするLEDライトや、汚れを感知するとランプで知らせる機能が装備されています。

ヘッド前方にLEDライトが搭載されています

ヘッド前方にLEDライトが搭載されています。運転中は常に点灯するので気になる場合はOFFにすることも可能。ただし、ヘッドの自走機能もOFFになってしまうので、操作性を優先するならばONのままのほうがいいでしょう

子ノズル前方にもLEDライトを装備。

子ノズル前方にもLEDライトを装備。暗いすき間でも、視認しながら掃除できます

約20μm以上のハウスダストを検知するセンサーを内蔵しており、汚れを発見すると操作部と延長管の下のほうにあるランプが赤く点灯

ゴミの多さに応じて“消灯→点灯→点滅→早い点滅”と切り替わるので、汚れ具合を把握できます

ゴミの多さに応じて“消灯→点灯→点滅→早い点滅”と切り替わるので、汚れ具合を把握できます

「ハウスダスト発見ランプが、すごく楽しい! パッと見た感じではゴミがないのに、赤く光ると見て見ぬふりはできず徹底的に掃除してしまいます。とくに畳の掃除では、いつもよりも長めに掃除機がけしてしまいました。また、LEDライトは家具の下や影になった所で活躍。それほど必要だと思っていませんでしたが、本当にホコリが見えるんですよ。年をとるとだんだんと薄暗い所が見えにくくなるので、LEDライトは見落としを防ぐのに役立ちますね」

取り回ししやすい

本体が軽く、ヘッドも自走するので走行性はとてもいいことが、これまでの検証で証明されました。加えて、ホースや延長管を含む部分もとても操作しやすいので、その様子を紹介しておきます。ちなみに、ホースや延長管も素材を変更することにより、軽量化されているそう。

ハンドルの握る部分には、凸凹とした滑りにくい加工が施されいます

ハンドルの握る部分には、凸凹とした滑りにくい加工が施されいます

手首を軽くひねるだけでヘッドの向きを変えられるため、壁際の掃除も容易

手首を軽くひねるだけでヘッドの向きを変えられるため、壁際の掃除も容易

床にピタリとつけた状態にもできるので、ベッドやソファーの下の掃除もバッチリです

床にピタリとつけた状態にもできるので、ベッドやソファーの下の掃除もバッチリです

「自走タイプのヘッドは重いものが多いのですが、これは軽い! 階段の掃除で1段ずつ持ち上げるのも、つらくなりませんでした」

でも、階段の掃除は延長管を抜いたスタイルでするほうがラクですね

でも、階段の掃除は延長管を抜いたスタイルでするほうがラクですね

ゴミ捨ての手間がない

溜まったゴミをこまめに廃棄できることから、“キレイな排気を求めるならばサイクロン掃除機”と言われていました。とは言え、製品によってはサイクロン部に微細なホコリが付いてしまい、その除去が困難なことも。また、スケルトン仕様のダストボックスが汚れて、見た目が汚らしくなってしまったという話も聞きます。紙パック式掃除機は交換する紙パックを用意しておく必要はありますが、こまめな作業がほとんどないのでシニア層には使い勝手がいいかもしれませんね。

「MC-JP500G」にセットされている紙パック「AMC-HC11」は、花粉などの0.5μm以上の微細なハウスダストを約99.9%逃がさずキャッチできるそう

掃除中も排気のニオイはまったく気になりませんでした

掃除中も排気のニオイはまったく気になりませんでした

まとめ

筆者はこれまでにも本体重量3kg以下の掃除機を使用したことがあるので、2kgと言っても大差ないのでは? と、正直「MC-JP500G」をナメていました。が、実際に使ってみると、その軽さにビックリ! 軽いだけでなく、本体幅がスリムなので持ちやすいんです。体験してくれた女性は片手で本体を持つのみでしたが、男性や筆者は本体と延長管など一式を片手で持てるほどでした。なので、持ち運びが容易であることは間違いありません。

もちろん、一番重要な“掃除力”も申し分なし。ゴミがしっかりと吸じんできるだけでなく、とにかく取り回ししやすい。“ほどよい”自走タイプのヘッドもですが、機能やアタッチメントを含め、過不足がありません。近年の掃除機はちょっとサービスし過ぎ感があり、すべてを扱いきれないことも。「MC-JP500G」は、とてもわかりやすくてムダがありません。“必要最小限”で“ベストな力”を発揮できるバランスのよさがすばらしいです。60代の体験者からは、“自分で操作してキレイにする”という基本的なことは同じでも、「MC-JP500G」を使うと身体への負担が軽減されたという評価をいただきました。シニアにピッタリなだけでなく、一軒家などの広いスペースを掃除する人にもうってつけな掃除機と言えるでしょう。


>> パナソニックの“シニア向け”掃除機「Jコンセプト」を60代夫婦が使ってみた! の元記事はこちら