「具体」に注目が集まっている。日本文化の輸出が叫ばれる昨今、世界に対し己が力で一つの提案をしていた日本発の現代アートがあった。それが「具体」である。具体とは、画家・吉原治良を中心に1954年に結成された前衛美術集団「具体美術協会」のアート活動で、パフォーマンスやハプニング、極限まで縮小した表現方法など、現在では普通に行われている芸術様式の先駆となった。1957年には仏評論家ミシェル・タピエにより海外へ紹介