「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない」。世界保健機関(WHO)憲章による健康の定義は、よく知られるところです。筆者は2010年頃から高齢者研究を続けていますが、ここ10年くらいで、高齢者の健康観はかなりこれに近づいてきたように感じます。「とにかく長生きしたい」という高齢者は減り、「高齢期をどう生きるか」という人生の質を重視する人が増えまし