2014年3月発売のミドリムシ入り化粧品シリーズ「B.C.A.D.」

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最近、ミドリムシの名前をニュースなどで耳にする機会が増えた。ミドリムシといっても、虫ではなく、その正体は藻の一種。植物のように光合成もするが、動物のように動くこともできる。両方の性質をもつ珍しい生き物だ。

ミドリムシは和名だが、学名は「ユーグレナ」。2005年に、ユーグレナ社が世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功。とにかく栄養が豊富で、必須アミノ酸全種類にビタミン14種、さらにミネラル9種などを含む。最近ではユーグレナ入りの食品をスーパーやコンビニでも見かけることも多いだろう。

さらに昨年、ミドリムシ入りの化粧品シリーズ「B.C.A.D.」が発売されたことは、以前コネタでもお伝えしたとおり。発売から約1年が経つが、全国の百貨店やバラエティショップなど全国100店舗以上(累計)で販売され、売り上げは好調だという。来月3月20日には新たに3Dフェイスパックと目元用のパックも発売し、さらにラインナップを拡充。ちなみに新商品はいずれもユーザーからの「欲しい!」という声に応えた商品だそう。

実は、筆者自身はなんとなくあのミドリムシの姿が思い浮かんでしまい、ミドリムシ入り化粧品を使うのをためらっていたのだが、聞けばミドリムシが生きたまま入っているわけではないそうだ(当たり前か)。入っているのはユーグレナから抽出したエキス「リジューナ(TM)(加水分解ユーグレナエキス)」。それに多くの有用成分を配合したものだという。

「エイジングケアのスキンケアシリーズとして、お肌の曲がり角が気になるぐらいの方からをメインターゲットに展開しています。お肌のハリやツヤが気になるという方を中心に、とてもご好評を得ています」(ユーグレナ社広報)
おそらくドンピシャのターゲットであろう30代後半の私。遅ればせながら試してみた。

シリーズは、(1)洗顔で汚れを落とし、(2)化粧水で肌を整え、(3)美容液で満たし、(4)クリームで保護する4ステップ。アイテムはすべてレモンのようなすっきりとした香りで、色は化粧水が透明、美容液は白濁色、クリームは白色。ほんのり緑色を帯びているような気がしないでもないが、ミドリムシ入りだとはまったくわからないし、気にならなかった。ちなみに個人的に一番感動したのが化粧水。まさに「とろっとろ」という表現がしっくりくる濃密さなのだ。

新商品のマスクも一足先に試させてもらった。

マスクには30mlの美容液がたっぷり。立体感のある形状なので顔にほどよくフィット。レモンのような爽やかな香りで、ひんやりして付け心地もいい。しばらくしてはずしてみると、吸い付くようにしっとりした肌に。心なしかいつもより明るく見えるような気もした(※あくまで個人の感想です)。

目元専用シートも同様に贅沢な使い心地。商品はいずれも全国の百貨店や美容サロン、バラエティショップや公式サイトで購入できる。
「じっくりと、もっちり感、しっとり感、ハリ感を与えます。最終的には、つややかな感触を感じていただけると思います」(ユーグレナ社広報)

ちなみに最近は化粧品や食品だけじゃなく、さらに幅広い分野でミドリムシが活用されているそう。ユーグレナ社では、大手自動車メーカーのいすゞの社用バスにミドリムシ由来の燃料DeuSEL(デューゼル)を入れ、定期運行を実施。また、2020年を目標にミドリムシ由来のバイオジェット燃料の実用化も目指しているという。

5億年も前から地球に生きているミドリムシ。大きさはわずか0.05ミリしかないが、その体に秘めたパワーたるや、なんともすごいものだ。
(古屋江美子)