楊枝ではなく手でつまんでいただく

写真拡大 (全2枚)

子どもから大人まで、みんなが大好きな関西の味、たこ焼き。屋台の定番としても日本人おなじみの味だ。ソースと鰹節の香りを想像するだけで……なんともお腹が空いてくる。
そんなたこ焼きだが、タイでは少し形を変えて、甘いおやつとして楽しまれていることをご存じだろうか。

それがこのカノムクロックだ。

たこ焼き器のような専用の焼き型で片面だけを焼いた生地を、2つ重ね合わせていただくのがカノムクロックの食べ方。
焼き色がついた皮は実際に食べてみるとサックリと香ばしい。トロっとしたココナッツミルクとその甘い香りが口の中に広がり、パクパクとつい手が止まらなくなってしまう。
店や屋台によっては中にネギやコーンが入っているものもあり、味と食感のバリエーションも楽しめる。
カノムクロックは、タイ語の「カノム・コンラッカン」が短くなったものと言われており、カノムは"お菓子"の意味で、コンラッカンは"愛し合う二人"という意味。つまり、「愛し合う二人がいつまでも一緒にいられるように」と願いが込められたお菓子なのだとか。タイの屋台では定番の逸品になっている。

現地の屋台では、カノムクロックは20バーツ(約80円)ほどで販売されている。よく見ると日本のたこ焼き器よりも広く浅い器械を使っているのだが、スプーンでカノムクロックをすくい出す姿は、たこ焼きをくるりとひっくり返す姿にそっくり。

作り方や材料はシンプルなので、たこ焼きプレートさえあれば、日本でもご家庭で作ることが出来る。生地は米粉1に対してココナッツミルク1.5、水1.5で混ぜ、少し多めに砂糖を加え、塩少々で味を整えれば生地は完成だ。その生地を型に流し入れ、お好みでコーンや万能ねぎをちらし、きつね色になるまで焼く。ポイントは、たこ焼きと違い、裏返さないこと。片面だけを焼いた生地を取り出し、二つ合わせればカノムクロックの出来上がり。

タイでは定番の甘いたこ焼き風おやつ。未知の味に、チャレンジしてみてはいかが?
(ろっくまん)