アメリカでのパッケージ。「Versatile Dashi Base」(多用途なだし)という説明アリ

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いまや世界的なトレンドになった日本食。ブームを背景に、日本の“だし”文化などに注目が集まっているが、最近は「白だし」ファンも増えているのだとか。

白だしとは、ベースはかつお節や昆布などからとっただしに、白醤油や薄口醤油、砂糖、みりんなどを加えて作った万能調味料のこと。濃い口醤油やめんつゆなどと違い、たくさん使っても素材の色をそのままキレイに出せるのがメリットだ。

もともとは東海や九州エリアで広く使われていたが、1994年に大手メーカーのヤマキからも「割烹白だし」が発売されるなどして、いまでは全国区の調味料に。また、ヤマキでは10年以上前からアメリカや台湾などの海外でも家庭用の「割烹白だし」を販売しており、アメリカではこの6年で売り上げが2倍になるほど好評だという。

海外での販促は、日系のスーパーなどでの試食販売が中心。白だしを使ったチャーハンやガーリックライス、きのこソテーなどのメニューを提案しているそうだ。試食販売で初めて白だしを知る人も多く、「こんなに簡単に日本食が家で楽しめるなんて知らなかった!」という反応が大半。なかには「スモークの香りを感じる」という人もいて、どうやらかつお節の風味をスモーキーと表現しているらしい。

「アメリカの試食販売では“チャーハンを作るのに白だしがないと困る”と、ケース(12本入)ごと買っていく中華系アメリカ人のヘビーユーザーもいました」(ヤマキ担当者)

家庭用の「割烹白だし」はアメリカと台湾のみでの販売だが、業務用はヨーロッパやオーストラリア、中国、アメリカ、台湾など広く展開。現地で手に入りやすい食材や調理方法を意識した海外向けのアレンジレシピも10種以上あるそうだ。

そんな海外向けメニューの中でも簡単に作れるという「白だしのジュレ」のレシピを教えてもらった。名前は難しそうだが、白だしをセラチンで固めてゼリー状にしただけ。とても簡単だ。

■白だしのジュレ
<材料>(8人分)
・粉ゼラチン……5g
・ぬるま湯……150ml
・白だし……50ml
<作り方>
(1)ぬるま湯と白だしをカップに入れ、粉ゼラチンを加えよく混ぜる。
(2)1時間ほど冷蔵庫におく。
(3)固まったら、好きな大きさにクラッシュして添える。

冷奴のトッピングとして使ってみたら、なんだかすごくオシャレな仕上がりになった。もちろん味も良い。豆腐の他に、刺身に添えても合う。キュウリやチーズをのせたカナッペに添えたらホームパーティのおもてなし料理としても使えそうだ。

「寿司やラーメンをはじめ、日本食は海外でもより身近な存在になっています。しかしながら、日本食は外で食べるものという意識が一般的です。白だしを通じて、海外でのご家庭でもより身近なものになるよう今後も活動を続けていきたいです」(ヤマキ担当者)

汎用性が高く、オリーブオイルなどとも好相性な白だし。海外における和食の浸透にもひと役買っていたようだ。
(古屋江美子)