コンパクトだし、インテリアの中に混じっても浮かないデザイン。

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初詣、もちろん行きました。お参りするだけでなく、御札を買って、お祓いをしてもらって。よし、これで今年も行くぞ!
えっ、御札ですか? 飾っていますよ、本棚の上に。神棚ですか? ありません……。

というわけで、ご紹介しましょう。これは、個人的にも興味深い。福島県いわき市内で結成された木工業者と材木屋による木工職人集団「もこのこ」が製造・販売している『かみだな』は、その名の通り神棚です。しかし、普通の神棚ではない。

どう普通じゃないかは後に回し、まずは『かみだな』が商品化されるまでの経緯について。
「2011年3月11日、日本が大きく揺れ、福島県いわき市に住む私たちの生活も一変しました。(中略)私たち『もこのこ』は家を失くし仮設住宅で暮らす方々に家族の団らんを取り戻してほしいと『ちゃぶ台』を作り配りはじめました」
「一台一台、仮設住宅に届ける中で、仮設には神棚を置く場所がないという話を耳にするようになり、神棚について考えるようになりました」
「仮設住宅、アパート、和室のない家屋、単身者のお住まいなどでは従来の神棚を置くスペースはなかなか設けられませんし、インテリアから浮いてしまうこともあります。しかし、心の中ではお祀りしたいと思っている方は多いのではないかと思います。(中略)現代の生活空間に合う新しい神棚を開発することにしました」

そう、『かみだな』は“現代の生活空間に合う新しい神棚”です。じゃあ、画像をご覧いただきましょう。

……ほわぁ〜、コンパクト! それでいて、御札はバッチリ収められています。
では、その詳細について。神棚の札宮は通常、伊勢神宮を模した形で造られるのだそう。そこで『かみだな』は、伊勢神宮を二次元にトレースし直すことで全体をミニマムなカタチに再構築しました。伊勢神宮のモチーフは、一つ一つ最新のレーザー加工機で曲線に沿って緻密に彫られています。材料は国産ヒノキを使用しており、心やすらぐ木の香りが楽しめるとのこと。
なるほど。従来の神棚(立体模型化された伊勢神宮に御神札を祀る)思想は変えず、立体模型から伊勢神宮を二次元化することにより、ミニマルなデザインを可能とした模様。現代的な空間にも合う、スタイリッシュな神棚です。

でも神棚って、やっぱり必要なんですか? ウチなんて、御札を剥き出しで置いてしまっているんですが……。
「そういう方も今は多いと思うのですが、神棚があることで家の中に“場”ができますよね。神様と会話をする“場”ができるのが大きいと思います」(担当者・大平さん)
なるほど。お子さんがいる家庭では学期末に通知表を置いたり、日常の風景の中でコミュニケーションが取りやすくなる。また『かみだな』中央には小窓が設けられており、これは小窓から中の御札や神様と通じる。……そんなイメージだそうです。「小窓からご利益が365日少しずつ出てくるように」という願いも込められているらしいですよ。
「単純な話、御札をほこりから守るという役割も『かみだな』は持っています」(大平さん)

この『かみだな』、一般家庭だけでなく法人の事務所や店舗(美容院など)で飾る人も多いのだそう。
「『ビックリした』、『斬新だ』、『こういうのを探していた』、『これでやっとお祀りできる』など、今までに多くのお声をいただいています」(大平さん)
現代の生活に自然にマッチし、それでいて気持ちを込めることが可能となったようです。

現在、『かみだな』には3つのバリエーションがあり、ヒノキの本体に白のメラミン化粧板を貼ることでスタイリッシュなフォルムを実現した「しろ」(25,500円 税・送料込み)、無垢のヒノキの質感を活かした形状の「むく」(23,450円 税・送料込み)、神社の五色旗をモチーフとし、「むく」に5つの色をプラスした「ごしき」(23,450円 税・送料込み)がラインナップされています。

いや、これ、ちょっと本気で欲しいのですが。毎年、「商売繁盛」と「心願成就」の御札を購入している私。より御札を大事に扱いたいと思っていたし、より深く神様と通じたいと思っていました。
(寺西ジャジューカ)