残念ながらすっかりお馴染みになってきた「ノロウイルス」。毎年、感染者数が増加している状況で、今年も12月頃から全国各地で集団感染が発生しています。各地で警報や注意報も発令されるなか、年が明けていよいよ本格的な流行のピークに突入。大事な試験シーズンであり、また年度末に向けて仕事量も増える時期。感染は絶対に避けたいものですが、困ったことにこのノロウイルス、私たちの健康を脅かす種々のウイルスのなかでも、実に厄介な存在なのです。

【ノロウイルスは体内への侵入を防ぎにくいウイルス】


感染症の専門家である東京医科大学の松本哲哉教授によれば、「細菌類の場合は感染源が限定されやすいが、ノロウイルスは食中毒だけでなく、感染者からもうつる恐れがあるウイルス」だそうで、つまり確実に感染原因を特定するのが難しいということ。松本教授によれば、「手洗い」や「うがい」をどんなに念入りに行ったとしても、感染を防ぐのは現状むずかしいのだそうです。

その上、ノロウイルスは水道水に含まれる塩素や消毒用のエタノールでも死滅しにくい、非常にタフなウイルスといわれています。体に入ってくるのを完全には防げないとなれば、体内で感染を抑制できるかどうかがポイントになってきますが、そのためには“免疫力アップ”が有効だと多くの医師が明言しています。

【免疫力アップのためにできることは? 母乳成分に注目!】


では、免疫力アップのためには何ができるのか。栄養バランスのいい食事や十分な睡眠をとることはもちろんですが、近年、ノロウイルス対策で注目を集めている成分があります。それが「ラクトフェリン」。ラクトフェリンという成分は、母乳(特に初乳)に多く含まれ、赤ちゃんを感染症から守る役割を担うものと考えられている成分です。たんぱく質の一種で、生乳やナチュラルチーズにも含まれています。

お母さんのお腹から出てきたばかりの赤ちゃんを、外界の細菌やウイルスから守っている成分……と聞けば、それだけで効果が期待できそうですよね! 実際ラクトフェリンは「腸内で免疫力をアップさせる力」に加え、「ノロウイルスの付着・増殖を防ぐ力」もあるのだとか! この両方のパワーを持っているのは、食品成分では今のところラクトフェリンのみ。継続摂取すると、ノロウイルス対策に良いという調査結果も出ています(森永乳業調べ)。

またラクトフェリンは、ノロウイルスだけでなくインフルエンザ対策としてもスゴイのだとか。寒さと乾燥の好条件の中でウイルスたちが猛威をふるうこの季節、摂取しておいて損はない、そんな貴重な成分と言えそうです。

【「健康長寿推進」の先進都市が、いち早く取り入れた!


ラクトフェリン入りの食品は、現在、ヨーグルトや飲料、サプリなどが販売されています。学習塾や幼稚園、老人ホームなどでもラクトフェリン入りのヨーグルトや飲料を取り入れる施設が増えており、なかには自治体をあげて取り組んでいるところも。

その代表が長野県松本市。実は松本市は、超高齢化社会に向けて市民や観光客の健康維持にかなり力を入れている、健康長寿における先進都市です。6年前から「健康寿命(=介護不要で自立して生活できる期間)延伸都市」を目標に掲げ、「松本ヘルスバレー」なる構想もスタート。昨年からは「松本ヘルス・ラボ」というプロジェクトも開始し、こうした取り組みは全国の他の都市からも注目を集めています。

そんな松本市が100近い企業や機関と組織している「松本地域健康産業推進協議会」の取り組みに、森永乳業が賛同しラクトフェリンを紹介したところ、松本市もラクトフェリンに興味を持ち、いち早く取り組みを開始。松本大学の学食でラクトフェリン入りヨーグルトが配布されたり、市内のカフェやバー、居酒屋などでラクトフェリン入りヨーグルトを活用したメニュー(スムージー、ヨーグルトサンデー、ヨーグルトソースがけの料理など)が提供されたりしています。

松本市以外の私たちも、スーパーやコンビニ等でも購入できるので、見かけたら要チェックです。いざ感染して辛い状況を経験してみないと、なかなか対策の努力ができないのが人間の常ですが、食べるだけならば簡単ですよね。一年で最も健康維持の難しい季節。大事な折に休まなくて済むよう、皆さんも“母乳”由来成分に注目してみてはいかがでしょう?
(外山ゆひら)