欧州で2010年に登場した875ccの2気筒版FIAT500ツインエアが昨年日本へ導入されて大きな話題となりましたが、日本でもエンジンの「究極のダウンサイジング」とも言える2気筒化競争が勃発する様相となってきました。


その背景に有るのは勿論、白熱化する「低燃費競争」。


東京モーターショー2011でワールドプレミアされたダイハツの軽オープンスポーツカー「D-X(ディークロス)」に搭載されていたのが660ccの直噴 直列2気筒ターボエンジンでした。



そもそも2気筒化のメリットはエンジンの小型軽量化、熱効率向上、フリクションの低減などによる燃費向上やCO2排出量低減にあります。


つまり、ダイハツ「D-X」は小さくて軽いエンジンに直噴と低回転域のトルクアップを図る為の過給器を組合せる事で究極の燃費と走りの両立を目指したコンセプトカーだった訳です。


2気筒化のネガと言えばFIAT500がそうであったように、エンジン振動の増大が挙げられますが、「D-X」はそれをクルマの持ち味として活かせるロードスターモデルだった点も見逃せません。



一方、ジュネーブモーターショー2012ではトヨタが2気筒エンジンにHVを組合せたコンセプトカー「FT-Bh」を発表。こちらも1.0Lの小排気量エンジンを採用。現行HVの倍以上の燃費と約半分のCO2排出量を達成すると言います。車重もアクアの60%に満たない786?という軽量ぶりとか。



その他にもスズキが東京モーターショー2011で800CCの直噴2気筒ターボエンジンを搭載した車重730kgの「レジーナ」を公開、日産やホンダでも2気筒エンジンの実用化を検討している模様。



海外に目を向けるとVWが2011年に超低燃費111?/Lを誇る2気筒ディーゼルエンジン搭載のコンセプトPHV「フォーミュラXL1」を公開しています。



以上のように、HVも含めて小排気量直噴2気筒エンジンによる燃費競争が加熱する見通し。
今後は2気筒特有のエンジン振動を如何に料理するかが各社腕の見せどころとなりそうです。


(Avanti Yasunori)



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