キャンピングカーユーザーが年間でもっともキャンピングカーを活用する月は5月、その次が8月だといわれています(『キャンピングカー白書2010』より)。
このことから、これから夏休みにかけてキャンピングカーの稼働率がもっとも高くなる時期といえるでしょう。


その旅行シーズンを前に、『一般社団法人 日本RV協会(JRVA)』がキャンピングカーユーザーに対して「GWから夏休みにかけて、いちばん行ってみたい地方はどこですか?」という設問でアンケート調査を行いました。
この調査は、JRVAのホームページにアクセスするキャンピングカーユーザーを対象に3月15日から4月13日にかけて実施し、255人の回答が寄せられました。


堂々1位は、46.7%の支持率で『北海道』!
2番目は東北(15.3%)、3番目は九州(9.8%)、4番目は北信越・東海・四国が5.9%で並び、5番目以降は、関東(4.7%)、中国(4.3%)、関西(1.6%)という順になりました。


図1


北海道は一般観光客にとっても人気の高いエリアですが、相対的に利用料金の安いキャンプ場や無料のキャンプ場なども多く、特に自然を愛し時間に縛られず気ままに旅をしたいと思うキャンピングカーユーザーにとっては、いわば“聖地”!道も広いですしね♪


2番手に東北が挙がったのは、震災被害を受けた地元の観光産業を旅行によって振興させようという気持ちが反映されているとも考えられます。


それと同時に、この結果にはキャンピングカー旅行の特徴が読み取れそうです。
1位に挙げられた北海道をはじめ、それに続く東北、九州、上信越などに共通しているものを探すと、いずれも「自然」と「温泉」という要素が浮かびあがってきます。


自然が豊かな地を訪れ、温泉に浸かってストレスを解消する。チェックインの時間も気にせず、荷物を持ち歩く労力も要らない、ゆったりとした時間をキャンピングカーユーザーが求めているのかな?と想像します。


そして「テーマパークに遊びに行く」というように目的地を一つに絞ることなく、スケジュールをきっちり決めずに気に入った場所を広いエリアの中で探しながら、のんびり旅を楽しむという、キャンピングカーならではの旅行スタイルが影響しているのではないでしょうか。


またキャンピングカーユーザーに「春の行楽シーズンからGW〜夏休みにかけて、自宅と旅先の距離がどのくらい離れた場所にまで行くか」ということを調査した結果、「500キロ未満」という答えが214回答のうちの42.5%を占めてトップになりました。


2番目は「1,000キロ未満」(27.6%)、3番目は「2,000キロ以上」(14.0%)、4番目以降は「2,000キロ未満」(11.2%)、「100キロ未満」(4.2%)、「50キロ未満」(0.5%)という順に。


図2


「95%以上の人が半径100キロ以上の遠隔地へ足を運ぶ」。
半径100キロといえば、自分の暮らすエリアを離れてよその土地に行くという気分が生まれる距離で、はっきりと「旅行」を意識した距離といえるのではないでしょうか。
それは「少なくとも1泊以上する」ということであり、「高速道路を使用する」ことにもなり、「移動に1時間以上かける」ということにも繋がります。
こうしてみると、キャンピングカーユーザーがいかに自分のクルマを積極的に旅行のツールとして活用しているかということが見えてきます。


「安・近・短」といわれて久しい時代になりましたが、今回の調査ではキャンピングカーユーザーは概して長距離旅行を楽しむ傾向があることが伝わってくるように思えます。
逆に言えば、長期(長距離)旅行を好む人はキャンピングカーを選びがち、ということでしょうか?


(松本しう周己)