昨年1月、茨城県龍ケ崎市のアパート内で、私立大3年の中島千佳さん(20=当時)が衰弱死した事件で、保護責任者遺棄致死の罪に問われた横江直人被告(24)の裁判員裁判が水戸地裁で始まった。
 当時アパートに住んでいたのは、横江被告と中島さんのほか、中島さんの姉(23)と派遣社員の女性Aさん(44)。なんと、3人の女性をはべらせるハーレム生活を送っていたという。

 横江被告、よほどのイケメンかと思いきや、法廷に現れたのはデブの大男。目が細く唇もポッテリで、平安時代であれば美男子だったかもしれないが、この平成の世では確実にブサイクの部類だ。なぜそんな男がハーレムを築けたのか? その理由は“声”にあった。
 「横江被告と女性たちとの出会いはネットでした。人気アニメのセリフのモノマネをした音声データや歌を投稿できる会員制の大手サイトで、声優やアニメのファンら十数万人が利用しています。ここでの横江被告は人気投稿者で、俗に言う“神”として崇められていたんです」(司法記者)

 最初は横江被告とAさんが同居していたが、横江被告のファンだった中島さんの姉が押しかけた。そんな姉を心配した中島さんもやってきてハーレム状態に。
 最初は姉を連れ戻そうとした中島さんも、一時は横江被告にゾッコンだったとされ、「告白したいけど、お姉ちゃんの彼氏さんだから…」と思い悩んでいたそうだ。だが、その気持ちもいつしか離れ、思い通りにならなくなったためか、横江被告は中島さんに食事を与えなかったり、手錠をかけて自由を奪ったり、手足を模造刀で突くなどの暴行を加え、衰弱死させたのだ。

 公判では、遮蔽板で顔は見えないが、40代とは思えないアニメ声で時折泣きながらAさんが証言した。
 「直人君は定職に就いてなくて、ネットで知り合った女性たちを騙してお金を得るような生活をしていました…。私とはサイトで知り合って、その後、恋人関係になりました。今も気持ちに変わりはないです…」

 一方、横江被告は「衰弱しているようには見えなかった。病院へ連れて行く必要はないと思った」と、中島さんの死について自分の責任はないと主張。声だけでハーレムを築いた“いい声王子”のはずなのに、本誌の女性記者は魅力を感じなかったという。果たして、その程度の声で裁判員の心に響く反論ができるのか?