はじめてのアイマス。アニメ版「THE IDOLM@STER」で麺カタ辛め野菜ダブルにんにく脂増し増し
「あー、いきなりでなんなんだが、そもそも『アイマス』ってなんよ？ そこから話せよ！」
「あ、そうか。お前アイマス知らないんだったな。『THE IDOLM@STER』は最初アーケードで稼働してて、その後X-BOX360やPSPやDSでも展開された、アイドル育成ゲームだよ」
「そこまでは知ってる。２も出たよな。今度PS3でも出るんだっけ？」
「そうそう。よく知ってるじゃん」
「だけど、ぶっちゃけよくわかんないんだよ、その『アイマス』って世界がでかくなりすぎてさあ、オレみたいな一見さんにはちとハードルが高くてな……。好きな曲をかけると女の子が踊ってくれるゲームじゃないの？ 対戦がどうの、やれ新衣装のダウンロードがどうの、アイマスのMAD（※動画素材をリミックして新しい動画を作ること）がどうの。つまり……どういうことなんだってばよ？」
「あー、確かに今のアイマスの状況を突然見ると、一体何が起きてるか分からないかもしれないなあ。少なくとも踊るゲームじゃなくて育成ゲームだよ」
「ふむ。で、アニメのアイマスは面白い、ってのは聞いたけど、どこからがアイマスなんだか？」
「基本的には、アイマスはアイドル育成ゲーム、という捉え方で全く問題ないよ。画期的だったのは、アーケード版と360版ではオンライン対戦機能があって、育てたアイドルたちがオーディションをする際に世界中のP（※プロデューサーの略称）と対戦できたんだよね。特にアーケード版はやり直しきかないから燃えたよ」
「なるほどそりゃ燃えるな。自分の娘を見守るような感じか」
「そそ。メールが届くサービスがあったりして、キャラへの思い入れも深かったね。MADはニコニコ動画の影響。それだけダンス動画が魅力的だったってことだよ。３Dキャラクターを最大限までアニメ風デザインに落としこんでいて、滑らかに動くように計算されてるの。だからダンスシーンだけでも見ていて楽しいんだよね」
「へえ……ん？ それってもうすでにゲームじゃないじゃん」
「そこは色んな捉え方あるかもね。『Live For you!』はPV鑑賞に特化したものだったし、『アイマス２』でも『ステージフォーユー！』っていうダンスPV作成モードもあるしね。まあ、テレビ画面の中で大好きになったアイドル達が、思い入れのある曲を歌い踊る様子は最高に心地いいんだよ」
「あー、わかった。ゲーム部分は育成シミュレーションで、観客モードは、俺達の大好きなアイドル、ってことか」
「そうそうそう！ ゲームとしてだけではなくてキャラクターや楽曲も人気があるからね。アイドル単体のCDもいっぱい出てるんだけど、中には名曲のカバーなんかもあって聴き応えあるし楽しいぞ」
「お、『星間飛行』に『月のワルツ』……お、ZABADAKの『遠い音楽』とか通好みだなあ。確かに好きなキャラが、カバー曲歌ってたら、楽しいわなあ。バーチャルアイドルなんかなあ。その割に中の人の人気もすごいよな？ バーチャルなら中の人出てきたらだめなんじゃね？」
「それもバランスがよかったねえ。アイマスはラジオやライブを大量にやっていて、それぞれの声優さんの個性が相乗効果で乗っかってうまい具合にブレイクしたんだよね。たとえばオレは亜美と真美っていう双子のキャラが好きなんだけど、声優の下田麻美は『アイマス』内でも独特の演技と歌声で人気を博して、気づいたらボーカロイド２の『鏡音リン・レン』の元の声に抜擢されたりしたね」
「あー、『とかちつくちて』？（※作中の楽曲「エージェント夜を往く」の空耳）」
「うん。他にも千早役の今井麻美がやよい好きで暴走したり、春香役の中村先生……じゃなくて中村繪里子の天然っぷりと芸人キャラっぷりがうまい具合にファンに受け入れられた部分あるね。声優さんたちが個性派揃いだから、アイマスのキャラクター達とうまくリンクして、ファンの盛り上がりやドラマCDの展開と相まって、ゲーム本編のアイマスとは別次元の新しいベクトルができてきてるってのはあるね」
「前そういえばローソンでも見たぞ？」
「アイマスフェアやってたねー。秋月律子ってキャラが服装がローソンの衣装に似てたので、ローソンの名誉店長になったこともあったね」
「ネタじゃなくてマジか！」
「そう、意外とアイマスの展開はフリーダム。楽しくて喜んでもらえることならなんでもあり！みたいなノリが作り手とユーザーの間にあるのが面白いね。ただ、そういう『アイマス文化』の蓄積量が尋常じゃなくなってきているので、これからアイマスやりたいという人にはハードル高く見えるのは否めないかなあ」
「そうなんだよ。PS3版のアイマス、興味はあるけどほんとハードルたけえよ！ 声優さんもキャラも全然知らないんだぜオレ」
「だからこそ、アニメ版オススメしたいんだよね。最初は初代版ベースになるのか、２の話ベースになるのか分からなかったんだよ。１年経っているって設定だったし。でも１でも２でもない、両方の良い所を取った完全オリジナルになって……」
「すまん！ もっとわかりやすく言え！」
「あ、ごめん。簡単に言うと入門編にも、従来のファンにもオススメってことだよ」
「OK、わかった」
「よかった。キャラクターは多いけど、それぞれの性格はしっかり描かれているし、見た目も特徴あるからそれほど困らないと思う。まずは、どんなキャラいるのかなー、から入っても十分楽しいと思うよ。その中で好きなキャラ見つけたら倍楽しいかな。オレはあみまみちゃん！」
「オレはそうだなあ……元気な女の子好きだから、この我那覇響ちゃんかな……」
「なかなかいいところに目をつけるねえ！」
「そ、そうなのか？ 逆にアニメで、熱心なファン向けってどのへんなの？」
「それがさっき言ってた１５話に結集してるんだよね。このHP見てくれよ」
「うん？……あれ？ なにこれ、テレビ番組じゃん。え？ どういうこと？」
「アイマスのアニメは最初は売れてないところからスタートするんだけど、今１５話まで来て看板番組を持った大人気アイドルまで成長したんだよ。で、一話まるまるその架空の看板番組を再現する、っていう企画を１５話でやっちゃったんだよ」
「しかもそのHPまで？ へー、架空の番組なのかこれ……よくできてるなー。確かに看板番組はステータスだよなあ」
「その中で色んなネタが出てくるんだけど、例えば春香っていうメインヒロインが司会しているところに荷物が届くシーンがあるのね。ほら、そこに動画あるでしょ」
「あ、ほんとだ……ぶっ！？」
「これね、実は春香の声優中村繪里子と、千早の声優今井麻美が実際に『PreStar』っていうインターネットテレビ番組でやらかした事件の完全再現なんだよね」
「こまけえな！ つか監督何を再現したいの！？」
「でしょー。この作品は錦織敦史監督が作っているんだけど、監督自身が大のアイマスファンで、アイマスの声優ライブにも自腹で行くくらいなんだよ。そんな人が作っているから、ゲームをなぞるだけじゃなくてありとあらゆる『アイマス文化』を拾って入れてるんだよね。ドラマCDのネタとか、新しいダウンロードコンテンツの衣装とか、春香と千早、やよいと伊織、真と雪歩などの仲良し設定とか、ラーメンが大好きなお姫ちん……じゃなくて貴音とか」
「ん？ んんんん？ おい！ 貴音が行ったラーメン屋ってこれ、これは！ あの！ あそこじゃねえの！？」
「名前言うなよ！ そう、あそこだ！ 東京圏で有名な、超山盛りのあそこだ！ ジ○リアン御用達の」
「しかもなんだよこのロボットアニメ風の嘘予告、おいおいおいどっかで見たことあるぞ！」
「ふふ、お前『天元突破グレンラガン』好きだったよな……そうだ、ここを作っているのはグレンラガンの監督今石洋之だ！」
「錦織監督もグレンラガンのキャラデザだし……なんでもありだな！ 単なる萌えアニメじゃないのかよ」
「１５話が特別すぎるだけなんだけどね。別の何も考えず普通の萌えアニメとして見ても面白いと思うよ。ただ他の回はリアルに成長する女の子達を応援するしっかりした作りになってるね」
「そうなのかー。てっきりPが女の子にモテモテになるハーレム物かと思ったよ」
「逆かな。ハーレム要素は今のところ皆無だね。真面目なんだよ。実際、女の子たちが真剣にアイドルとしてがんばろうとしてたらお前どうする？ 手だすの？」
「あー。ファンなら仲良くなりたいなーって思うけど、プロデューサーだったら、……お、応援するかな」
「何赤くなってんだよ」
「いやだって……うっせえ！ お、オレは響ちゃんをプロデュースするぞ！」
「お、やる気になってくれたか」
「だってさあ、１５話の『響チャレンジ』見てたらもうさあ……あ、X-BOX360版の１からやればいいの？」
「おっと、響をプロデュースしたかったら２からじゃないとできないよ。まあできれば１とPSP版もやってほしいけど、いきなりハードル高くてもアレだからねえ、まずはアニメ見て、３６０版の２か、これから出るPS3版の２からがいいんじゃないかなあ。２は通信対戦機能ないけど、ライバルがいたりして面白いよ。興味があったら個々の個性がよりわかる１はやってほしいかな。とりあえずアニメから見てゲームやっても困ることはないから、１話から見ようぜ。ゲームをやってる人が見たら倍楽しいしね、よく出来てると思うよ……ん？ どうしたそんなにじっくり見つめて」
「やべえ……響ちゃんかわいい……なんかこう健気で笑顔がいいんだけど、なぜかいじめたくなるというか……おれやべえ……」
「大丈夫！ 自分の思うままに愛せばいいよ！」
「なんか広大な『アイマス』っていう海が目の前に広がってるみたいだなあ……」
「それだけ、妄想も含めて楽しいことが無限なのがアイマス。アニメ版がさらに幅を広げてくれた、って考え方かなあ自分は」
「わかった、響ちゃんいるからアニメ見る。響ー！ 俺だー！ 結婚してくれー！」
「（……オレもアケマス（※アーケード版アイドルマスター）最初にやった時、亜美真美でテンション上がりまくったなあ……）」
（たまごまご）
