■Jリーグ観戦の面白さを印象づける仕掛けを

そういう意味で、先日スタジアム近くの大型商業施設で行われた7.9告知イベントはやや薄味だった。主な内容は選手トークショーと観客参加型のゲーム。まずは選手を知ってもらうことから始めなくてはならないのだろうが、それならたとえばプレースタイルなどに絡めて各選手に親しみやすいキャッチフレーズをつけるといった方法で、もっと個々のキャラクターを強調することもできたはずだ。

何より試合観戦を盛り上げる要素が欠けていたことが、集客に向けての訴求を弱いものにしていた。大分のチームが勝負を賭けて他所のチームと戦うという地域色を押し出す展開や、FC東京のストロングポイントを踏まえた試合の見どころを紹介するやりかたで、日頃サッカーに関心の薄い人たちにもJリーグ観戦の面白さを印象づける仕掛けが欲しかった。それが参加した選手たちの意気昂揚にも繋がれば理想的だ。手作りのイベントにもプロとしての視点が要求される。文化祭の延長であってはならない。

最近ではC大阪の清武弘嗣や大宮の東慶悟、名古屋の金崎夢生と、大分を巣立った選手らの代表などでの活躍が目立つ。現在所属している選手の中から、また彼らのような存在が出てくるかもしれない。選手の成長を見守る楽しみも伝えてゆけるだろう。

いよいよ今週末が運命の7.9。見込まれる入場者数を受けて開門時刻が繰りあげられ、駐車場や交通手段の確保、警備員の配置など、スタッフは連日遅くまで準備に追われている。FCを核にテンション上昇中の大分。土曜夜の大銀ドームが熱くなることを、心から期待している。

■著者プロフィール
ひぐらしひなつ
大分県中津市生まれ。大分トリニータ情報誌「Winning Goal」などに執筆。


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