今年のイスラム暦(太陰暦)では8月11日から第9月「ラマダーン」に入る。イスラム教徒はこの月の間(9月9日まで)、日の出から日没までは水を含めたいっさいの飲食を断つことになっている。

 7日に開幕したばかりのリーグ・アンには、イスラム教徒の選手も多く、各クラブは頭を悩ませることになる。ふだんは規律を重んじることで知られるクリスチャン・グルキュフ監督(ロリアン)も選手の信仰心を尊重せざるを得ない。

 監督はレキップ紙に「食事もだが、それより水分補給が心配。ケガのリスクは当然高まる。ラマダーンの間は、イスラムの選手の練習は1日1回に減らすことにしている」と語った。

 第2節の14日は日没が午後9時12分。断食を実行する選手は試合前に何も口にできない。多くの選手が「とてもつらい体験」と語っているように、水分も摂らず、空腹のまま90分間まともにプレーできるとは考えにくい。主力をベンチに置かざるを得なくなるチームもあるだろう。

 もちろんイスラム教徒の選手すべてが断食を実行するわけではない。11日にフランス代表のノルウェー戦を控えるハテム・ベン・アルファ(マルセイユ)はル・パリジャン紙に、昨シーズンの序盤に出遅れた苦い経験から、今年は断食をしないと宣言している。同じく代表合宿中のサミル・ナスリ(アーセナル)も、プロスポーツ選手としての体調管理を優先する考えだ。