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映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』の上映時間は148分である。監督のリドリー・スコットといえば、未公開シーンなどを含めた「完全版」を後にリリースすることが多いことでも知られる。例えば『ブレードランナー』では「完全版」や「ディレクターズ・カット」「ファイナル・カット」といくつものバージョンが公にされており、直近作の『ナポレオン』でも合計48分の未公開シーンを含めたディレクターズ・カットをリリースしている。

『グラディエーターII』でも、後に完全版のようなものが登場する可能性はあるか?米に質問されたスコットは、「私はファイナル・カットを作る権利を得ている」「私のカットが世に出てしまうのは、大抵の場合、私のせいだ」と自虐的に語って笑いを誘い、本作ではおそらく別バージョンが登場しないことを説明している。

曰くスコットは、撮影と同時進行で編集作業を進めるのだという。「私は撮影中にカットをするから、苦しむことがない。最後まで撮り終えてからカットを始めるということはしない。それでは時間がかかりすぎる。私は(撮影を)進めながらカットもする。(撮影の進行の)様子を見たり、みんなの演技を見たりする必要があるから、進めながらカットもするのは有効だと思います」。

筆者の方でも、同じ質問をプロデューサーのルーシー・フィッシャーに。フィッシャーは「カットすべきシーンは、全て撮影前にカットしています」「予算の都合や、不必要だと判断してのシーンの削除は、脚本の段階で行われました」と答えた。

例の一つとして、デンゼル・ワシントンが演じたマクリヌスの過去を描く映像も考えられていたというが、ワシントンの語りの演技のみで観客に伝わると判断し、削除したそうだ。「わざわざ過去を映像化しなくとも、役者の力で伝わるということです」。

フィッシャーいわく、リドリー・スコットも完成版に強い自信を持っており、現時点で別バージョンのリリースを望んでいないということだ。劇場で観られるバージョンが完全版であるということで、その全てを目に焼き付けよう。『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は公開中。

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