再生医療を受けた2人が重い感染症で入院…厚労省が医療一時停止求める緊急命令、細胞加工物からは微生物
厚生労働省は25日、医療法人輝鳳(きほう)会が運営する医療機関「THE K CLINIC」(東京都中央区)で再生医療を受けた2人が、重い感染症で入院する事例が確認されたと発表した。
2人は、すでに回復しているという。
同省によると、「THE K CLINIC」は、がんの予防医療を希望する受診者に対し、免疫細胞を採取し、この細胞を体外で増やしてから自分の体に戻す再生医療を、自由診療で行っていたという。
この免疫細胞は、同じ法人が運営する「池袋クリニック 培養センター」(同豊島区)の培養加工施設で増やしていた。同施設の細胞の加工物から、この感染症の原因とみられる微生物が確認された。いずれも施設側から24日、同省に報告があった。
厚労省は25日、再生医療安全性確保法に基づき、同日付で「THE K CLINIC」に対し、この医療の一時停止を求める緊急命令を出した。また同センターに対し、同施設での製造の一時停止を命令した。
厚労省再生医療等研究推進室の担当者は、同法人に対し「必要に応じて調査することを検討したい」と話している。
厚労省はプライバシー保護を理由に、患者の感染症や詳しい容体を明らかにしていない。