NY外為市場=ドル高一服、151円台後半 ユーロも上昇

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[ニューヨーク 24日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ユーロと円が上昇し、ドルが3カ月ぶりの高値から一服した。この日発表された総合PMIが連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方を裏付ける内容となったことを受け、ドルは一時、下げから回復する動きを見せる場面もあった。    

終盤の取引で、ドルは対円で0.6%安の151.83円。

日銀の植田和男総裁は24日、米ワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に会見で、為替の円安に伴う物価影響に触れ、「日本の物価にどう影響するかを丹念に分析して見極めていく。時間的余裕はあると考えている」との認識を示した。

米S&Pグローバルが発表した10月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.3と、9月の54.0から上昇し、米経済が第4・四半期に好調な出だしを切ったことを示唆した。

一連の堅調な経済指標を背景に米国債利回りが上昇する中、ドルは過去18営業日中16日で上昇していた。     

FXストリート・ドット・コムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は「利益確定の動きが出ている」と指摘。ただ「基調には金利の変動や、FRBの今後の動向に関する認識の変化があり、こうしたことに変わりはない」と述べた。    

主要通貨に対するドル指数は、0.37%安の104.05。3日続伸から一服した。

ユーロ/ドルは、0.39%高の1.0823ドル。前日23日は一時1.076ドルと、約4カ月ぶりの安値を付けた。

CMEのフェドウオッチによると、市場は11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われる確率は95.1%、金利を据え置く確率は4.9%との見方を織り込んでいる。1カ月前の時点では、少なくとも25bpの利下を完全に織り込んでおり、50bpの大幅利下げの確率は58.2%だった。

共和党の大統領候補であるトランプ前大統領が来月の大統領選で返り咲き、関税引き上げなどインフレ高進につながる政策が実施される可能性が高いとの見方が高まっていることも、ドル高の要因となっている。

英ポンドは、0.39%高の1.2971ドル。リーブス英財務相は、政府の財政ルールを支える債務定義の変更を発表した。  

ドル/円 NY午後5時 151.82/151.84

始値 151.85

高値 152.29

安値 151.56

ユーロ/ドル NY終値 1.0827/1.0828

始値 1.0798

高値 1.0829

安値 1.0790